合成・材料
【特別講座】高リサイクル型ならびに触媒型高活性超原子価ヨウ素反応剤の開発
本記事は、ChemGrowing Vol.09 (2019年7月号)において、立命館大学総合科学技術研究機構・立命館大学薬学部 土肥寿文 様,森本功治 様,北 泰行 様に執筆いただいたものです。
超原子価ヨウ素反応剤は、鉛(Ⅳ)、タリウム(Ⅲ)や水銀(Ⅱ)などの重金属酸化剤と類似の反応性を示し、毒性が低く、かつ爆発性などの懸念のない取り扱い易い酸化剤で、環境調和型酸化反応の開発に有望視されている1)。
著者の一人の北は、重金属酸化剤の毒性が社会的に認識された1980年代前半より3価の超原子価ヨウ素反応剤であるフェニルヨージンジアセタート(phenyliodine(Ⅲ) diacetate、...
【総説】カーボンナノチューブに内包させて用いる増感色素の開発
本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.2(2019年6月号)において、山口大学大学院 創成科学研究科 三宅 秀明様、岡山大学大学院 環境生命科学研究科 田嶋 智之様、高口 豊様に執筆いただいたものです。
半導体性を示す単層のカーボンナノチューブ(SWCNTs)は、優れた光吸収特性も併せ持つため光電変換デバイスへの応用が期待されている。ただし、単純にSWCNTsに光照射したとしても、大きな励起子束縛エネルギーのため光電変換を実現することは困難である1-3)。そこで、優れた電子アクセプターであるフラーレンと複合化したシステムが精力的に研究されている4-8)。励起電子をフラーレンで抽出することで効率的な...
【連載】ペプチド医薬合成基礎講座 「第1回 ペプチド医薬の周辺」
本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.2(2019年6月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。
1970年代以降、合成低分子医薬は一世を風靡し、多くのすぐれた医薬品が世に送り出された。しかし一方でこの分野は行き詰まりも指摘されており、医薬品開発の中心は抗体医薬をはじめとしたバイオ医薬にシフトしている。
こうした状況の中、医薬品開発の次代を担うジャンルとして、ペプチド医薬が注目を集めつつある。その長所と短所、新たなデザインと合成のアプローチなどについて、本連載で述べてゆきたい。
【連載】核酸医薬合成基礎講座 「番外編 オリゴヌクレオチドの精製」
本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.1(2019年1月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。
前回までに、主に固相合成法によって、オリゴヌクレオチドを合成する方法について記してきた。固相担体に結びつけたヌクレオチド鎖を必要なだけ伸長し、脱保護及び担体からの切り出しを行うことで、合成は完了する。ただし、こうしてできた合成ヌクレオチド鎖は、さまざまな不純物を含む。合成の途中で徹底的に洗浄を行うとはいえ、各種不純物の残存は完全には避けられない。
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