siyaku blog

- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

ライフサイエンス

実験の目的に合わせたRNA抽出方法と製品の選び方

細胞内では様々なRNA(Ribonucleic acid)が存在しています。 特に遺伝情報を保持しているメッセンジャーRNA(mRNA)や遺伝子発現を調節するマイクロRNA(miRNA)は遺伝子発現に関与しているため細胞の状態を調べる際に重要な解析対象となります。RNA抽出はRNA実験における最初のステップとなります。

医薬品 製造・品質管理 テクニカルレポート

【テクニカルレポート】次世代の発熱性物質試験用試薬 ~LumiMAT™の開発~

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.4(2024年10月号)において、富士フイルム和光純薬株式会社 バイオ技術センター 七尾 友久様に執筆いただいたものです。

発熱性物質試験は非経口医薬品や医療器具中の発熱性物質の有無を検定する試験である。発熱性物質(細菌の膜成分、ウイルスDNA・RNA等)が血中に取り込まれると、それらを認識した単球やマクロファージによって免疫応答が起こる。その結果体温の上昇やショック症状・多臓器不全が惹起され、最悪の場合死に至ることが知られている。

培養 テクニカルレポート

【テクニカルレポート】ヒト腎細胞3D-RPTEC®の開発と創薬研究での有用性

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.4(2024年10月号)において、日機装株式会社 インダストリアル事業本部 精密機器技術センター 高橋 越史様、森村 馨様に執筆いただいたものです。

従来使用されていたヒトの腎臓細胞としては株化細胞の「HK-2細胞」、初代細胞の「ヒト初代近位尿細管上皮細胞(RPTEC)」がありました。これらの細胞は薬物トランスポーターの発現量が低く、培養日数によって腎臓関連の機能を失っていくことがわかっています。そのため、近年ではヒトiPS細胞由来腎オルガノイドや新鮮腎モデルを用いた研究が精力的にされています。

ライフサイエンス 総説

【総説】CTGFとSTAT3を介した腫瘍間質反応による肝癌増大進展メカニズム

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.4(2024年10月号)において、大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 牧野 祐紀、疋田 隼人様に執筆いただいたものです。

結合組織増殖因子(connective tissue growth factor ; CTGF/CCN2)はCCN (CCN1-6)ファミリータンパクに属する細胞外マトリックスタンパクである。CTGFは種々の細胞から分泌され細胞外マトリックス中で様々な分子と相互作用を来たすほか、受容体を介して細胞間のシグナル伝達に関与し、細胞接着、遊走、増殖、分化、細胞外マトリックスタンパク産生など様々な生物学的...

合成・材料 ライフサイエンス 総説

【総説】核酸合成用ユニバーサルリンカー「PTリンカー」

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.4(2024年10月号)において、徳島文理大学薬学部 張 功幸様に執筆いただいたものです。

1980年代に開発されたホスホロアミダイト法は、基質や反応条件の改良、固相合成への適用、自動化を経て、オリゴヌクレオチド合成法として現在幅広く利用されている。その合成は通常、望みのオリゴヌクレオチドの3'末端のヌクレオシドを担持した固相担体を出発原料に用いて、3'末端から一塩基ずつ(ヌクレオチド単位で)伸長していく。

体外受精・生殖補助医療

【高橋ウイメンズクリニック 塩谷先生:急速融解の検討】

高橋ウイメンズクリニックの塩谷仁之先生から、急速融解を検討した理由や臨床導入後の実態、今後の展望を伺いましたので、是非ご覧ください。

ライフサイエンス

これからはじめる フェロトーシス検出

同仁化学の「これからはじめる」シリーズでは、細胞内代謝・ミトコンドリア・老化細胞など様々な研究テーマで試薬選択ガイドと学術情報を紹介しています。 今回は鉄に依存したプログラム細胞死「フェロトーシス」についてご紹介します。

合成・材料 ライフサイエンス 総説

【総説】自由自在に接着末端を設計できるPCR停止プライマーを用いたDNA連結技術の開発

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.3(2024年7月号)において、名古屋大学大学院 理学研究科 野村 浩平様、阿部 洋様に執筆いただいたものです。

遺伝子工学の分野では、遺伝子組み換え技術によって薬品・害虫・病気等に強い作物や、インスリンなどの薬効成分を大量合成する大腸菌の開発が行われ、農業や製薬業界といった幅広い分野での応用がなされてきました。しかし近年では、遺伝子工学の新たな段階として、人工的に遺伝子を設計・合成し、産業応用に有効な遺伝子を持つ生物を一から創り出すゲノム合成が注目されています。ゲノムサイズの長いDNAを一度に合成することは...

培養 ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】ビフィズス菌とヒトiPS由来小腸様上皮細胞の相互作用による代謝産物の網羅的解析

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.3(2024年7月号)において、森永乳業株式会社 基礎研究所腸内フローラ研究室 宣 旭様に執筆いただいたものです。

Bifidobacterium属細菌(以下ビフィズス菌)は腸内細菌叢を構成する主要な菌種であると同時に、プロバイオティクスとしても広く商業利用されている。ビフィズス菌は主に糖を代謝して乳酸や酢酸を産生するが、これら代謝産物は腸管バリア機能の増強や有害な病原性細菌の排除、免疫賦活作用など私たちの健康維持に重要な役割を果たす。

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】試薬を用いた細胞老化検出と関連指標の併用測定例

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.3(2024年7月号)において、株式会社同仁化学研究所 マーケティング部 津崎 兼土様に執筆いただいたものです。

1981年Hayflickによって報告された細胞老化は、肺繊維芽細胞を8ヶ月以上継代培養した際に途中で増殖が遅くなり、細胞死に至ったことが発端となり発見された。細胞複製による老化が発端で発見された細胞老化は、その後の研究でテロメア長の縮小化だけでなく、がん遺伝子の活性化や酸化ストレス、DNA損傷等の外的要因でも引き起こされることが明らかとなった。

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