siyaku blog

- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

合成・材料 ライフサイエンス 総説

【総説】自由自在に接着末端を設計できるPCR停止プライマーを用いたDNA連結技術の開発

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.3(2024年7月号)において、名古屋大学大学院 理学研究科 野村 浩平、阿部 洋様に執筆いただいたものです。

遺伝子工学の分野では、遺伝子組み換え技術によって薬品・害虫・病気等に強い作物や、インスリンなどの薬効成分を大量合成する大腸菌の開発が行われ、農業や製薬業界といった幅広い分野での応用がなされてきました。しかし近年では、遺伝子工学の新たな段階として、人工的に遺伝子を設計・合成し、産業応用に有効な遺伝子を持つ生物を一から創り出すゲノム合成が注目されています。ゲノムサイズの長いDNAを一度に合成することは...

培養 ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】ビフィズス菌とヒトiPS由来小腸様上皮細胞の相互作用による代謝産物の網羅的解析

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.3(2024年7月号)において、森永乳業株式会社 基礎研究所腸内フローラ研究室 宣 旭様に執筆いただいたものです。

Bifidobacterium属細菌(以下ビフィズス菌)は腸内細菌叢を構成する主要な菌種であると同時に、プロバイオティクスとしても広く商業利用されている。ビフィズス菌は主に糖を代謝して乳酸や酢酸を産生するが、これら代謝産物は腸管バリア機能の増強や有害な病原性細菌の排除、免疫賦活作用など私たちの健康維持に重要な役割を果たす。

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】試薬を用いた細胞老化検出と関連指標の併用測定例

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.3(2024年7月号)において、株式会社同仁化学研究所 マーケティング部 津崎 兼土様に執筆いただいたものです。

1981年Hayflickによって報告された細胞老化は、肺繊維芽細胞を8ヶ月以上継代培養した際に途中で増殖が遅くなり、細胞死に至ったことが発端となり発見された。細胞複製による老化が発端で発見された細胞老化は、その後の研究でテロメア長の縮小化だけでなく、がん遺伝子の活性化や酸化ストレス、DNA損傷等の外的要因でも引き起こされることが明らかとなった。

分析 連載

【連載】〈LC/MS分析 −測定原理から様々な分野での活用例− 最終回〉第4回  LC/MSのバイオ医薬品分析への利用

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.3(2024年7月号)において、富士フイルム富山化学株式会社 富山研究開発センター 鹿野 真弘様に執筆いただいたものです。

COVID-19パンデミックの発生に伴い、新たなタイプのワクチン製剤として複数のmRNA医薬品が上市された。mRNA医薬品とは、メッセンジャーRNA(mRNA)を原薬として内包した脂質ナノ粒子(Lipid Nano Particle、LNP)製剤である。mRNAを脂質成分で内包することにより生体内での安定性が付与され、標的である細胞まで送達される。 mRNA医薬品の利点は、mRNAにコードされたタ...

分析

【テクニカルレポート】オンラインSPE-LC/MSシステムによる水中PFOA、PFOS及びPFHxSの全自動分析法の開発

本記事は、ChemGrowing Vol.28(2024年05月号)において、株式会社アイスティサイエンス 佐々野 僚一様に執筆いただいたものです。

ペルフルオロオクタン酸(PFOA)、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)はフッ素樹脂の加工助剤、塗料、撥水剤、乳化剤、消火剤、フライパンなど日常生活で広範囲に使用されている。これらの物質(総称"PFAS")は不揮発性で難分解性のため環境に長く残留することによる環境汚染や人体への様々な毒性の懸念が報告されており、各国で急速に規制が強まっている。

ライフサイエンス

エンドトキシン除去ゲル「セルファイン™ ETクリーン」開発秘話

本記事は、JNC株式会社 ライフケミカル事業部 営業部 戸所 正美 様にご執筆いただいたものです。

セルファイン ETクリーンはタンパク質に混入しているエンドトキシン(ET)の除去を目的に開発されました。既に20年以上の販売実績のある製品で、国内外の多くのユーザーに使用して頂いております。ETには人体や細胞に好ましくない発熱や炎症などを引き起こす作用があります。そのため、人体に入る医薬品(特に注射用医薬品)や細胞培養に使用する薬品からETを除去する事が必要となっております。

ライフサイエンス

iPS細胞を活用した治療の可能性を広げる低分子阻害剤

人工多能性幹細胞(iPS細胞、iPSC)は、扱いやすい遺伝子的特性と無限の増殖能力を有することから、患者一人一人に対する疾患モデリング、創薬、毒性評価、再生医療などでの活用が非常に期待されています。しかしながら、iPS細胞の臨床応用にはまだ課題があり、大規模で効率的な細胞培養方法の開発が求められています。

ライフサイエンス

未来への進化 日本発シングルユースバッグの開発ストーリー ~ステリテナーが切り開く未知の可能性~(後半)

本記事は、積水成型工業株式会社 永座 明様にご執筆いただいたものです。

みなさん、こんにちは!前回に続き、積水成型工業の3Dシングルユースバッグ「ステリテナー」にスポットを当て、ブロー成形という独自のアプローチで製造された立体型のフレシキブルバッグ。その未知なる可能性についてお伝えします。 今回は後編として、日本のバイオ現場のニーズに合わせた「日本発のシングルユースバッグ」を目指した製品開発についてご紹介します。

培養 ライフサイエンス 連載

【連載】〈幹細胞由来EV~治療、診断、化粧品への展開~〉第5回 細胞外小胞の治療・診断マーカーを開発する上での正確性の重要性

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.2(2024年4月号)において、新潟大学大学院 医歯学総合研究科 消化器内科学分野 土屋 淳紀様に執筆いただいたものです。

近年、ヒトばかりでなく、植物、果実、細菌、酵母などあらゆる細胞が放出する細胞外小胞(extracellular vesicles)が、我々の生命活動の情報伝達手段の一つとして、重要であることが明らかになり疾病の診断から治療への応用まで幅広く研究が進められている。特に、細胞外小胞の中でも粒径100 nm前後のものを特に小細胞外小胞 (small extracellular vesicles;以下sE...

合成・材料 連載

【連載】〈フロー合成の魅力 ~安全・高効率なグリーンものづくりへ~〉第4回 フロー合成の未来 ~DXとの融合~

本記事は、和光純薬時報 Vol.92 No.2(2024年4月号)において、静岡大学 グリーン科学技術研究所 間瀬 暢之様に執筆いただいたものです。

このシリーズを通じて、フロー合成の魅力とグリーンものづくりへの応用について概観してきた。第1回目はフロー合成の安全性、効率性、そして環境に対する配慮に焦点を当てた。第2回目ではフロー合成の基本技術について掘り下げた。第3回目ではリネゾリドやロリプラムなどのフロー合成の実践例を紹介した。この最終回では、フロー合成とデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation, DX...

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