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総説

ライフサイエンス 総説

【総説】自閉スペクトラム症研究におけるポリジェニック・リスク・スコアの利用

本記事は、和光純薬時報 Vol.91 No.3(2023年7月号)において、浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター1)、大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学 連合小児発達学研究科2) 土屋 賢治様1),2)に執筆いただいたものです。

米国精神医学会の診断基準DSM-5において、自閉スペクトラム症(Autism spectrum disorder、以下ASD)は、神経発達症群の一つとして分類されている。ASDの診断に利用できる生物学的指標はなく、症状または行動をたよりに診断する。診断の根拠として「社会相互性と意思伝達の障害」および「狭い興味や反復的な行動様式」という2つの症状群が知られている。

医薬品 製造・品質管理 総説

【総説】第十八改正日本薬局方第一追補とそのトピック

本記事は、和光純薬時報 Vol.91 No.3(2023年7月号)において、中外製薬工業株式会社 生産QA部 今若 太一様に執筆いただいたものです。

日本薬局方は、学問・技術の進歩と医療需要に応じて、我が国の医薬品の品質を適正に確保するために必要な規格・基準及び標準的試験法等を示す公的な規範書である1)。 また、日本薬局方は、薬事行政、製薬企業、医療、薬学研究、薬学教育などに携わる多くの医薬品関係者の知識と経験を結集して作成されたものであり、それぞれの場で関係者に広く活用されるべき公共のものとして位置付けられており、厚生労働省ホームページ2)に...

合成・材料 総説

【総説】酸化グラフェンの製法と構造

本記事は、和光純薬時報 Vol.91 No.3(2023年7月号)において、岡山大学異分野融合先端研究コア 研究教授 仁科 勇太様に執筆いただいたものです。

酸化グラフェン(Graphene Oxide、GO)は、安価で入手可能な黒鉛を化学的に酸化することで合成することができる。GOは、炭素1原子の単層にまで層を薄くでき、他の材料(高分子や金属ナノ粒子など)との複合化が容易である。また、溶液状態で扱いやすく、化学的修飾に有望な材料であり、多岐にわたるアプリケーションが期待されている。このため、次世代ナノカーボンの一つとして注目されている。 ...

合成・材料 総説

【総説】Nor-AZADO触媒的酸化反応の展開と応用

本記事は、和光純薬時報 Vol.91 No.3(2023年7月号)において、東北大学大学院薬学研究科 笹野 裕介様、岩渕 好治様に執筆いただいたものです。

アルコールの酸化反応は、医薬品や生物活性天然物の合成に有用なカルボニル化合物を与える重要反応である。これまで著者らは、2-アザアダマンタンN-オキシル (AZADO) や9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンN-オキシル (ABNO) 等の嵩高さの軽減されたニトロキシルラジカルが、既存のニトロキシルラジカルである2,2,6,6-テトラメチルピペリジンN-オキシル (TEMPO) と比較して、アルコー...

ライフサイエンス 総説

【テクニカルレポート】パラダイムシフトとしてのスフェロイド・オルガノイド共培養

本記事は、和光純薬時報 Vol.91 No.2(2023年4月号)において、株式会社ギンレイラボ 島崎 猛夫様に執筆いただいたものです。

細胞培養方法としては、シャーレの上で細胞を培養して同一種の細胞を集団で解析する単層静置培養法、培養液を撹拌することで浮遊状態を保ったまま細胞を培養する浮遊培養法、ゲル状基質を用いて培養する方法など種々の方法があります。これらの技術は古くから存在しています。1962年には、Boydenらが細胞遊走アッセイ法を開発1)し、後にセルカルチャーインサートと一般呼称される培養液を介した非接触共培養に利用され...

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