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総説

ライフサイエンス 総説

【総説】エポキシ樹脂包埋生物試料のマルチカラーIn-resin CLEM

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.2(2021年4月号)において、順天堂大学大学院医学研究科 谷田 以誠様、山口 隼司様、角田 宗一郎様、内山 安男様に執筆いただいたものです。

光線−電子相関顕微鏡法(Correlative Light and Electron Microscopy ; CLEM)は、同一試料を蛍光顕微鏡および電子顕微鏡で観察し、蛍光顕微鏡による蛍光タンパク質により標識された標的タンパク質・オルガネラの細胞内局在情報(あるいは、標的細胞の組織内位置情報)と電子顕微鏡による超微形態情報を相関し解析する方法である。近年、超解像蛍光顕微鏡により蛍光タンパク質の...

分析 総説

【総説】下痢性貝毒オカダ酸群と分析用標準物質

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.1(2021年1月号)において、国立研究開発法人水産研究・教育機構 水産技術研究所 環境・応用部門 水産物応用開発部 鈴木 敏之様に執筆いただいたものです。

貝毒など海洋生態系の自然毒の多くは有毒プランクトンにより生産され、食物連鎖を介して魚介類に蓄積される。ホタテガイやカキなどの二枚貝は、プランクトンを餌としているため、餌としたプランクトンの中に有毒プランクトンが含まれていると毒を蓄積して毒化する。毒化した二枚貝をヒトが喫食することにより貝中毒を発症するが、有毒プランクトンが生産する原因毒により、中毒症状は様々である。 貝毒などの海洋生物毒は無味無臭...

分析 総説

【総説】マリントキシン研究の楽しみ

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.4(2020年10月号)において、東北大学名誉教授、一般財団法人日本食品分析センター顧問 安元 健様に執筆いただいたものです。

今回、富士フイルム和光純薬の好意によって筆者のライフワークである「海洋生物毒研究」を紹介する機会を得ました。海洋生物毒には多彩な顔があります。化学構造や薬理作用の解明、食品衛生・公衆衛生面への対策、生態・生物学的意義の解明等があります。 筆者の最大の関心事は「毒の化学構造」ですが、毒化の真犯人「=毒の生産者」を見つけ出す過程も楽しい作業でした。微小生物が毒を生産し、食物連鎖によって拡散するように、...

合成・材料 総説

【総説】温和な条件下での核水添を実現する不均一系ロジウムー白金ナノ粒子触媒

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.4(2020年10月号)において、東京大学大学院理学系研究科 宮村 浩之様、小林 修様に執筆いただいたものです。

不均一系触媒は、簡便な操作のみで回収、再使用が可能なことから、環境調和型の有機合成において中心的な役割を果たすことが期待される。また、不均一系触媒は連続フロー合成やコンビナトリアル合成などの次世代型の有機合成にも応用される。そのような中、金属ナノ粒子が精密有機合成において、高活性で頑強性の高い不均一系触媒として注目を集めている。金属ナノ粒子は単独では不安定で速やかに凝集を起こしてしまうことから、触...

合成・材料 総説

【総説】ロバストな高移動度n型有機半導体材料の開発

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.3(2020年7月号)において、1 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 物質系専攻・2 JST さきがけ 岡本 敏宏様1, 2 、熊谷 翔平様1に執筆いただいたものです。

情報化社会の発達が急速に進む現代において、スマートフォンやパソコンなどの電子機器・情報端末は私たちの日常生活において欠かすことのできないものとなっている。このような機器には現在シリコンを主とした無機半導体デバイスが利用されているが、重い、硬い、またデバイス作製に 300−1000 ℃の高温が必要など、多用途性や環境負荷などの面から改善が望まれる。そこで近年では、有機半導体を用いたデバイス(有機半導...

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