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総説

合成・材料 総説

【総説】低分子系半導体−p型

本記事は、東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻 工学部応用化学科 岡本 敏宏准教授に執筆いただいたものです。

20世紀中頃、有機化合物が電気を流す半導体的な性質を示すことは知られていた。しかしながら、電流はほとんど流れず、安定性が悪かったため、電気が全く流れない絶縁体としての認識が持たれていた。 1984年にKudoらの研究グループ1)によって、merocyanine dye (メロシアニン色素, 図1参照)の低分子系半導体を活性層に用いた有機電界効果トランジスタ(OFET)において、10-7から10-5...

ライフサイエンス 総説

【総説】「生体暗証番号」解読のための共培養研究とエクソソーム

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.4(2019年10月号)において、株式会社ギンレイラボ 島崎 猛夫様に執筆いただいたものです。

近年、生物学においてエクソソームを含めた細胞外小胞が各種細胞のコミュニケーションに大きな役割を果たしていることが明らかになり、論文数は劇的に増加してきている。現在のエクソソーム研究の主流は、各種疾患に関係すると思われるエクソソームを抽出・解析する手法であり、LiquidBiopsy と表現されている手法の一つである。しかし、エクソソームは細胞間相互作用のキープレーヤーであり、真にエクソソームを介し...

合成・材料 総説

【総説】有機半導体について

本記事は、東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻 工学部応用化学科 岡本 敏宏准教授に執筆いただいたものです。

有機半導体は半導体の特性を示す有機材料のことである。有機半導体は、シリコンに代表される無機半導体材料と比べて、安価、軽量、低環境負荷、機械的に柔軟であり、塗布プロセスおよび大面積化が可能なユニークな半導体であり、有機電界効果トランジスタ(Organic Field-effect Transistor, OFET)1)-3)、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diod...

合成・材料 総説

【総説】多点相互作用を誘起するイオン液体・オリゴマーイオン液体 ―グラフェンの高効率合成・高キャパシタンス電解質の実現

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.3(2019年7月号)において、物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 松本 道生様、理化学研究所 創発物性科学研究センター、東京大学大学院 工学系研究科 相田 卓三様に執筆いただいたものです。

1992年にWilkesらによって1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラートは常温で溶融した塩で、空気中でも安定な液体であると報告された1)。この報告は水系溶媒、有機溶媒に加わる、第三の溶媒として「イオン液体」という新しい研究分野を切り拓いた2)。 イオン液体は「室温付近に融点を有する塩であり、イオンのみからなる液体」と定義される。イオン液体の特徴は(1)蒸気圧が低く不揮発性である...

合成・材料 総説

【総説】カーボンナノチューブに内包させて用いる増感色素の開発

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.2(2019年6月号)において、山口大学大学院 創成科学研究科 三宅 秀明様、岡山大学大学院 環境生命科学研究科 田嶋 智之様、高口 豊様に執筆いただいたものです。

半導体性を示す単層のカーボンナノチューブ(SWCNTs)は、優れた光吸収特性も併せ持つため光電変換デバイスへの応用が期待されている。ただし、単純にSWCNTsに光照射したとしても、大きな励起子束縛エネルギーのため光電変換を実現することは困難である1-3)。そこで、優れた電子アクセプターであるフラーレンと複合化したシステムが精力的に研究されている4-8)。励起電子をフラーレンで抽出することで効率的な...

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