siyaku blog

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総説

合成・材料 総説

【総説】高性能ホスフィン配位子:Silica-SMAP

本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.4(2016年10月号)において、和光純薬工業 試薬化成品研究所 三宅 寛が執筆したものです。

トリアルキルホスフィンは強いσ-供与効果から金属配位子として、有機合成化学や有機金属化学、錯体化学と広い分野で利用されている。一般に不安定であり、取扱いに注意を要する(グローブボックスなど)。 高活性なホスフィンというと不安定(=酸素に弱い)という認識があるため、本稿では『空気中で酸化されないトリアルキルホスフィン』であるSilica-SMAPを高性能ホスフィンと区別することにする。

ライフサイエンス 総説

【総説】植物組織透明化試薬 ClearSee® の開発

本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.4(2016年10月号)において、名古屋大学大学院理学研究科 栗原 大輔 様に執筆いただいたものです。

蛍光タンパク質のめざましい発展により、今日では細胞やオルガネラだけではなく、タンパク質一分子までも蛍光タンパク質で標識して可視化できるようになっている。可視化された細胞やオルガネラ、分子の挙動を観察することで、生物のからだの成り立ちや構造、機能が解析されている。しかし、植物細胞はさまざまな自家蛍光物質を持っているため、無傷のまま、植物内部に存在する細胞の蛍光タンパク質を観察することは未だ難しいのが...

合成・材料 総説

【総説】リパーゼの特徴と有効性について

本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.3(2016年7月号)において、天野エンザイム株式会社 佐藤 幸秀 様に執筆いただいたものです。

19 世紀に、膵臓中にリパーゼの存在が確認され、リパーゼは、アミラーゼ、プロテアーゼとともに重要視され、産業的には医薬用消化酵素、診断薬、洗剤、食品加工、キラル合成などに利用されてきている 1, 2)。またそれ以外にも近年グリーンケミストリーの観点から、酵素や微生物などの生体触媒の利用は注目されており、特に光学活性な化合物を得る手法としてリパーゼは広く利用され、多くの研究成果が報告されている 3)...

ライフサイエンス 総説

【総説】ncRNA の機能解析 ~結合タンパク質を求めて~

本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.3(2016年7月号)において、産業技術総合研究所 創薬分子プロファイリング研究センター 機能プロテオミクスチーム 足達 俊吾 様に執筆いただいたものです。

細胞にはリポソームRNAやトランスファーRNA、snoRNAなど、タンパク質をコードしないnon-coding RNA (ncRNA) が存在することは古くから知られていたが、次世代シークエンス技術に代表される近年の解析技術の発展により、以前に考えられていたよりもはるかに多くのncRNAが存在することが明かとなってきた1,2)。 また、その機能についても癌を含めた疾患との関係や、クロマチン状態制御...

合成・材料 総説

【総説】高活性第 1 級アルコール酸化触媒:DMN-AZADO

本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.1(2016年1月号)において、名古屋大学大学院創薬科学研究科 澁谷 正俊先生、東北大学大学院薬学研究科 岩渕 好治先生に執筆いただいたものです。

有機ニトロキシラジカル TEMPO を触媒とするアルコールの酸化反応では、基質中に第 1 級アルコールと第 2 級アルコールが共存する場合、第 1 級アルコールが選択的に酸化されることが知られている。 高度に酸素官能基化された天然物や生物活性化合物の合成では、しばしば複数の水酸基を持つ基質の特定の水酸基のみを選択的に変換する必要がある。このような場合、通常保護基を用いて目的以外の水酸基をマスクする...

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