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総説

ライフサイエンス 総説

【総説】エクソソームとは?

本記事は、Exosomeガイドブック(2017年11月 第1版発行, 2019年5月 第2版発行)において、金沢大学医学系免疫学 華山 力成 教授に執筆いただいたものです。

近年、細胞外小胞(EV)の研究が加速的に進展している。5 年前には年間 200 報程度の論文数であったが、2016 年には 1000 報以上の論文が発表され、様々な生理機能や病態発症との関連が示唆されている。EV は大きく分けてエンドソーム由来のエクソソームと形質膜由来のマイクロベジクルなどに分類することができるが、現在最も精製に用いられている分画遠心法で両者を厳密に分離するのは困難であり、便宜的...

合成・材料 総説

【総説】アリル位アリール化反応を超高効率で触媒するパラジウム NNC-ピンサー錯体

本記事は、和光純薬時報 Vol.85 No.4(2017年10月号)において、自然科学研究機構 分子科学研究所 生命・錯体分子科学研究領域 錯体触媒研究部門 浜坂 剛 様に執筆いただいたものです。

遷移金属を用いた触媒的有機分子変換工程は、様々な有用化合物を合成するための強力な手法である。特に、パラジウム触媒を用いた炭素-炭素結合形成反応は、実験室スケールから化学工業プロセスに至るまで広範に用いられている1)。一方でこれらの反応では、標的分子を高収率で得るためにはパーセントオーダーのパラジウムが一般に必要とされている。そのため、しばしば生成物中へのパラジウムの混入が問題となる。 特に、医薬品...

ライフサイエンス 総説

【総説】造腫瘍性を有するヒト ES/iPS 細胞の非侵襲的モニタリング技術 - ヒト ES/iPS 細胞モニタリングキットの開発 -

本記事は、和光純薬時報 Vol.85 No.2(2017年月4号)において、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門 舘野 浩章 様に執筆いただいたものです。

ヒト ES 細胞や iPS 細胞は再生医療のための細胞源として期待されている一方、造腫瘍性という大きな課題を抱えている。我々はこれまでヒト ES/iPS 細胞に選択的に結合する rBC2LCN レクチンを見出し、ヒト ES/iPS 細胞を染色して、除去する技術を開発してきた。今回、我々は培養液を用いてヒト ES/iPS 細胞の数を非破壊的にモニタリングする技術を世界で初めて開発し、実用化することに...

ライフサイエンス 総説

【総説】結晶構造から読み解くPAタグシステムの原理とタンパク質ループ構造への挿入

本記事は、和光純薬時報 Vol.85 No.1(2017年1月号)において、大阪大学 蛋白質研究所 高木 淳一先生、有森 貴夫先生、松永 幸子先生に執筆いただいたものです。

タンパク質の構造解析や機能解析を行うためには高純度の精製タンパク質が必要であり、筆者らの研究室ではより効率的な試料調製を行なうためのカスタムアフィニティータグシステムを開発してきた1,2)。中でもPAタグシステムは、12残基からなるPAタグ(GVAMPGAEDDVV)が、それに対するモノクローナル抗体NZ-1に対して極めて高い親和性で特異的に結合し(KD = 4 × 10-10 M)、しかもPAペ...

合成・材料 総説

【総説】ラセミ体アルコールを光学的に純粋な化合物に収率 100%で 変換する新技術

本記事は、和光純薬時報 Vol.85 No.1(2017年1月号)において、大阪大学大学院薬学研究科 赤井 周司 様に執筆いただいたものです。

光学的に純粋な有機化合物は、医薬品、農薬、香料、液晶などの様々な製品に用いられている。年々、光学活性化合物の需要は高まり、環境に負荷をかけない供給法の開発が今日の重要課題の1つである。最近の金属触媒や低分子有機触媒の発展には目を見張るものがあるが、常温常圧での高いエナンチオ並びに官能基選択性、高い触媒回転率を満足するものは未だ少ない。一方、生体触媒(酵素)はこれらを可能にする。さらに、発酵によって...

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