siyaku blog

- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

ライフサイエンス

ライフサイエンス

動脈管開存症治療薬・イブプロフェンの投与が超低出生体重児の腎機能に与える影響

本記事は、シミックホールディングス株式会社が編集する「News Letter L-FABP No.16」をもとに掲載しています。

胎児期には肺での呼吸をせず、肺動脈から大動脈へと肺をバイパスして血液を送る仕組みが存在している。この役割を果たす動脈管は通常は生後数週間で完全に閉じてしまうが、特に早産児の場合などはその発達が未熟であるために開いたままの状態となることがある。この状態は動脈管開存症 (PDA)と呼ばれ、心不全や肺出血、腎機能不全、壊死性腸炎などが生じる原因となるおそれがある。

ライフサイエンス 総説

【総説】中性付近のpHで抗体を効率的に吸着/精製する担体の開発

本記事は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 日本特殊陶業ー産総研ヘルスケア・マテリアル連携研究ラボ 加藤 且也様、日本特殊陶業株式会社 研究開発本部 北村 昌大様に執筆いただいたものです。

血清や細胞培養上清中に存在する抗体、特にイムノグロブリンG (IgG) を精製する場合には、通常IgGのFc領域と強い相互作用を持つプロテインAの結合したアフィニティークロマトグラフィー担体が用いられている。しかし抗体の回収時に用いるpH 2~4 の酸性溶液が、回収後の抗体の凝集や変性を引き起こす原因ともなり、重要な活性を持つ抗体を取得できない場合がある。そのために、抗体回収溶液として酸性溶液を用...

培養 ライフサイエンス 連載

【連載】ヒトiPS 細胞由来分化細胞の創薬応用「第1回  ヒトiPS 細胞由来心筋細胞を用いた心収縮評価システムの最新動向」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.2(2021年4月号)において、東京大学大学院 薬学系研究科 化学物質安全性評価システム構築社会連携講座 澤田 光平様に執筆いただいたものです。

心筋の収縮を正常に保つことは、全身に血液を送り出す心臓のポンプ機能にとって極めて重要である。心筋症などの心疾患、薬物誘発の心毒性、COVID-19 などのウイルスによる心筋障害、更には環境汚染物質PM2. 5 など様々な原因が心筋の収縮性に障害をもたらす要因となる。これらの要因は心不全の誘発、悪化につながる臨床上重要な課題として認識されており、高齢者の心不全増加の原因に少なからず関与していると考え...

ライフサイエンス 総説

【総説】エポキシ樹脂包埋生物試料のマルチカラーIn-resin CLEM

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.2(2021年4月号)において、順天堂大学大学院医学研究科 谷田 以誠様、山口 隼司様、角田 宗一郎様、内山 安男様に執筆いただいたものです。

光線−電子相関顕微鏡法(Correlative Light and Electron Microscopy ; CLEM)は、同一試料を蛍光顕微鏡および電子顕微鏡で観察し、蛍光顕微鏡による蛍光タンパク質により標識された標的タンパク質・オルガネラの細胞内局在情報(あるいは、標的細胞の組織内位置情報)と電子顕微鏡による超微形態情報を相関し解析する方法である。近年、超解像蛍光顕微鏡により蛍光タンパク質の...

ライフサイエンス 連載

【連載】遺伝子解析 新技術とその応用 「第4回 トランスクリプトーム・エピゲノムの統合解析」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.2(2021年4月号)において、熊本大学発生医学研究所 細胞医学分野 古賀 友紹様、中尾 光善様に執筆いただいたものです。

エピゲノムは、DNA のメチル化、ヒストンの化学修飾、クロマチンの高次形成、非コードRNA による調節などで構成されて、転写関連因子と協働することで、ゲノム上の全遺伝子発現が制御されると考えられる。エピゲノムには安定性と可逆性という両面があり、特定の遺伝子座を取り上げてもエピゲノム形成の特異性はほとんど未知である。近年のシークエンス技術の革新により、ゲノムワイドなエピゲノム解析が急速に発展している...

キーワード検索

月別アーカイブ

当サイトの文章・画像等の無断転載・複製等を禁止します。