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ライフサイエンス

ライフサイエンス 連載

【連載】遺伝子解析 新技術とその応用 「第4回 トランスクリプトーム・エピゲノムの統合解析」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.2(2021年4月号)において、熊本大学発生医学研究所 細胞医学分野 古賀 友紹様、中尾 光善様に執筆いただいたものです。

エピゲノムは、DNA のメチル化、ヒストンの化学修飾、クロマチンの高次形成、非コードRNA による調節などで構成されて、転写関連因子と協働することで、ゲノム上の全遺伝子発現が制御されると考えられる。エピゲノムには安定性と可逆性という両面があり、特定の遺伝子座を取り上げてもエピゲノム形成の特異性はほとんど未知である。近年のシークエンス技術の革新により、ゲノムワイドなエピゲノム解析が急速に発展している...

ライフサイエンス 連載

【連載】ミクログリア研究の最前線−基礎から臨床へ− 「第4回 ミクログリア・マクロファージによる脳梗塞後の炎症と修復の制御メカニズム」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.2(2021年4月号)において、東京都医学総合研究所 脳卒中ルネサンスプロジェクト、慶應義塾大学薬学部生化学講座 大谷 健人様、東京都医学総合研究所 脳卒中ルネサンスプロジェクト、日本医療研究開発機構 七田 崇様に執筆いただいたものです。

脳梗塞は本邦における脳卒中の約8割を占め、寝たきりや死亡の主な原因である。脳梗塞では、脳血流が低下することによって脳組織への酸素や栄養の補給が不足し、脳組織が虚血壊死(梗塞)に至る。脳虚血では様々な細胞ストレスが惹起されるが、炎症はそのようなストレスのひとつである。脳虚血後の炎症においては、脳組織に常在するマクロファージであるミクログリアや、血液脳関門の破綻に伴って脳組織に浸潤したマクロファージが...

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】エクソソーム除去FBS中に残存するエクソソーム量の評価 −高感度エクソソーム検出技術が可能にした新たな品質保証−

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.2(2021年4月号)において、富士フイルム和光純薬 ライフサイエンス研究所 笹本 宏大が執筆したものです。

種々の細胞から放出される小胞、エクソソームは生命現象の理解のための基礎研究だけでなく、近年診断や治療といった研究分野でも注目を集めている。培養細胞由来のエクソソームの取得及び解析を行うにあたっては、細胞培養時にエクソソーム除去処理したウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum : FBS)を添加した培地が多く用いられているが、その残存の有無の詳細な検証や、その後の実験への影響を議論するよう...

ライフサイエンス 連載

【連載】遺伝子解析 新技術とその応用 「第3回 1 細胞シーケンス技術」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.1(2021年1月号)において、東京大学 大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 鈴木 絢子様、鹿島 幸恵様、鈴木 穣様に執筆いただいたものです。

1 細胞シーケンス技術は、平均値を扱う従来の集団(バルク)での解析では取り扱うことのできなかった組織内の多様性、不均一性を正面から解析することを可能にした。特に 1 細胞での 遺伝子発現を計測するシングルセルRNA-seq(scRNA-seq)技術については、比較的平易に扱うことのできるプラットフォームが複数上市されており、幅広い生命科学分野の研究者が自身の研究テーマに応用している。RNA-seq...

ライフサイエンス 連載

【連載】ミクログリア研究の最前線−基礎から臨床へ− 「第3回 脳内貪食細胞の謎に迫る」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.1(2021年1月号)において、東京大学 大学院薬学系研究科 薬品作用学教室 河野 玲奈様、池谷 裕二様、小山 隆太様に執筆いただいたものです。

貪食は免疫機構における重要なプロセスである。体外から侵入してきたウイルスや病原菌だけでなく、体内で産生される細胞の死骸や異常な凝集たんぱく質など、あらゆる不要物を対象として、貪食の" プロフェッショナル "である食細胞がその役割を担う。脳内では、組織常在性マクロファージ(この呼称には批判的な見解もあることに留意されたい)とも呼ばれることもあるマイクログリアが主要な免疫細胞且つ食細胞と考えられており...

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