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連載

ライフサイエンス 連載

【連載】エクソソームと生命現象「第 5 回 イミダゾールジペプチドによるエクソソームを介した脳腸相関活性化」

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.2(2019年6月号)において、九州大学大学院 農学研究院 片倉 喜範様に執筆いただいたものです。

イミダゾール基を含むヒスチジンが結合したジペプチドの総称であるイミダゾールジペプチドには、カルノシンやアンセリンなどが知られており(図1)、筋肉や脳に多く存在し、特に食肉中に豊富に含まれている。イミダゾールジペプチドはこれまでに、抗酸化作用、抗糖化作用、疲労回復作用など、様々な生理機能を有していることが知られている1, 2)。 最近になり、アルツハイマー病モデルマウスを用いた解析3)、及び中高齢者...

培養 ライフサイエンス 連載

【連載】基礎から応用までよくわかる組織透明化技術 「第1回 透明化技術 Scale 法を知る、そして使う」

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.2(2019年6月号)において、国立研究開発法人理化学研究所 脳神経科学研究センター 細胞機能探索技術研究チーム 濱 裕様、星田 哲志様、宮脇 敦史様に執筆いただいたものです。

固定組織の透明化技術(以下、単に透明化技術と表記する)は、従来二次元を主体として行われてきた組織学を三次元に大幅に拡張し組織学における新たな視野を得るための方法の一つである。そして近年、透明化技術は動物だけでなく植物の研究領域にも利用されるようになり、基礎生物学の分野をはじめ製薬などの応用分野で技術導入が少しずつ広がりを見せている。 ScaleA2法1)とScaleS法2)(これらを総称してSca...

合成・材料 ライフサイエンス 連載

【連載】ペプチド医薬合成基礎講座 「第1回 ペプチド医薬の周辺」

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.2(2019年6月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

1970年代以降、合成低分子医薬は一世を風靡し、多くのすぐれた医薬品が世に送り出された。しかし一方でこの分野は行き詰まりも指摘されており、医薬品開発の中心は抗体医薬をはじめとしたバイオ医薬にシフトしている。 こうした状況の中、医薬品開発の次代を担うジャンルとして、ペプチド医薬が注目を集めつつある。その長所と短所、新たなデザインと合成のアプローチなどについて、本連載で述べてゆきたい。

合成・材料 ライフサイエンス 連載

【連載】核酸医薬合成基礎講座 「番外編 オリゴヌクレオチドの精製」

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.1(2019年1月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

前回までに、主に固相合成法によって、オリゴヌクレオチドを合成する方法について記してきた。固相担体に結びつけたヌクレオチド鎖を必要なだけ伸長し、脱保護及び担体からの切り出しを行うことで、合成は完了する。ただし、こうしてできた合成ヌクレオチド鎖は、さまざまな不純物を含む。合成の途中で徹底的に洗浄を行うとはいえ、各種不純物の残存は完全には避けられない。

分析 連載

【連載】アミノ酸分析~新たな潮流~ 「第 3 回 アミノ酸分析の新しい潮流② キラルに着目したアミノ酸分析」

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.1(2019年1月号)において、味の素株式会社 イノベーション研究所 唐川 幸聖様、原田 真志様に執筆いただいたものです。

生体を構成している化合物の多く、例えば糖、核酸、アミノ酸、タンパク質など、これらのほとんどは「キラルな化合物」である。不思議なことに、現存する生命の多くがキラル化合物の一方の立体を選択的に利用しており、この偏った状態のことを「ホモキラリティ」と呼んでいる。 一対のキラル化合物(エナンチオマー)は、旋光性以外の物理的、化学的性質が全く同じであることが知られているが、「ホモキラリティ」の状態である生体...

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