【連載】ペプチド医薬合成基礎講座 「第4回 環状ペプチド合成の新潮流」
本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.1(2020年1月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。
本連載の第1回で述べた通り、ペプチド医薬の可能性が改めて注目されている。低分子合成医薬は低コストかつ経口投与が可能であるなど多くの利点を持つが、昨今行き詰まりを指摘されている。また抗体医薬をはじめとしたバイオ医薬は製造コストが高くつき、経口投与は不可能である上、巨大分子であるタンパク質は細胞内に入り込めないことなどから、適用可能な疾患は限られている。ペプチド医薬が期待されるのは、この両者の「いいと...