【連載】エクソソームと生命現象「第8回 エクソソームを利用した診断」
本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.1(2020年1月号)において、公益財団法人がん研究会 植田 幸嗣様に執筆いただいたものです。
従来、細胞間コミュニケーションや細胞周辺環境の恒常性維持には細胞外に放出される液性因子(サイトカインなど)が機能していると考えられてきたが、近年の研究により微小分泌小胞もこれらにとって重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。特にエンドサイトーシスを起点とする細胞内小胞輸送経路を経て生成される細胞外小胞の一種、エクソソームに関しては基礎生物学的な機能解明に留まらず診断、治療、ドラッグデリバ...