siyaku blog

- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

連載

ライフサイエンス 連載

【連載】エクソソームと生命現象「第7回 エクソソームとがん」

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.4(2019年10月号)において、東京医科大学 医学総合研究所 分子細胞治療研究部門 小坂 展慶様に執筆いただいたものです。

がん細胞は、微小環境に存在する細胞と常にコミュニケーションをとっており、それによってがんの悪性化が進展している。このがん細胞と周辺細胞の細胞間コミュニケーションを明らかにすることは、Nivolumab のような画期的ながんの治療薬の開発につながる。 これまでの研究では、細胞間コミュニケーションに関わる因子として、接着分子、細胞外基質、サイトカインやケモカインなどが中心に研究されてきたが、最近、エク...

合成・材料 ライフサイエンス 連載

【連載】ペプチド医薬合成基礎講座 「第3回 ペプチド合成の新展開 山本法とNCL」

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.4(2019年10月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

ペプチド合成の新しい手法について紹介する本シリーズであるが、ごく最近中部大学の山本尚・村松渉らのグループから、全く新しいアプローチのペプチド合成法1)が発表されたので、こちらをまず紹介したい。 これまでのペプチド合成におけるアミド縮合反応は、全てカルボキシ基側を何らかの形(酸ハロゲン化物、酸アジド、活性エステルなど)に変換して活性化し、ここにアミノ基が攻撃してくるという形で結合形成が行われていた。...

ライフサイエンス 連載

【連載】エクソソームと生命現象「第 6 回 エクソソームとウイルス」

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.3(2019年7月号)において、東海大学総合医学研究所造血腫瘍分野 東海大学医学部血液・腫瘍内科 柿崎 正敏様、幸谷 愛様に執筆いただいたものです。

ウイルス感染症は有史以前から存在していたが、病原体としてウイルスが認識されるようになったのは、1898年に口蹄疫ウイルスが発見されてからである。ヒトの病気に関わるウイルスは数百種類とされており、日常でよく遭遇する呼吸器や消化器などの急性感染症から、AIDSやB型・C型肝炎、子宮頸がんなど慢性疾患としての経過をたどる感染症まで多種多様である。近年、ウイルスの生存戦略にウイルスと同様に細胞外小胞(Ex...

分析 連載

【連載】アミノ酸分析~新たな潮流~ 「第 4 回 ペプチド、タンパク質定量のための新技術」

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.3(2019年7月号)において、第一三共株式会社 研究開発本部 薬物動態研究所 合田 竜弥様に執筆いただいたものです。

アミノ酸から構成されるペプチド及びタンパク質は、遺伝子の最終産物であり、細胞の形態や機能を直接制御している。そのため、癌化等により細胞の形態や機能が変化する過程で、個々のペプチド及びタンパク質の発現量、翻訳後修飾等が変化する。これらの変化は、患者の層別化、疾患の早期診断、薬効評価等のためのバイオマーカーとして利用可能であり、病態の原因解明を目指した研究と共に盛んに行われている。これらの研究では、ペ...

培養 ライフサイエンス 連載

【連載】基礎から応用までよくわかる組織透明化技術 「第2回 高解像・高輝度蛍光イメージングのための透明化法、SeeDB2」

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.3(2019年7月号)において、九州大学大学院医学研究院 今井 猛様に執筆いただいたものです。

近年、様々なレーザー顕微鏡が開発されているが、生体組織を3次元的に捉えることは容易ではない。生体組織は光の散乱や吸収が生じ、深部に行けば行くほど観察が難しくなるためである。近年、こうした問題を克服する手段として、固定した生体組織を透明にする手法が注目されている1, 2)。いずれも、光の吸収および散乱を減らすことで深部の観察を実現している。今や、組織や臓器の全体像を3次元的にとらえることも容易になっ...

キーワード検索

月別アーカイブ

当サイトの文章・画像等の無断転載・複製等を禁止します。