【連載】エクソソームと生命現象「第7回 エクソソームとがん」
本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.4(2019年10月号)において、東京医科大学 医学総合研究所 分子細胞治療研究部門 小坂 展慶様に執筆いただいたものです。
がん細胞は、微小環境に存在する細胞と常にコミュニケーションをとっており、それによってがんの悪性化が進展している。このがん細胞と周辺細胞の細胞間コミュニケーションを明らかにすることは、Nivolumab のような画期的ながんの治療薬の開発につながる。
これまでの研究では、細胞間コミュニケーションに関わる因子として、接着分子、細胞外基質、サイトカインやケモカインなどが中心に研究されてきたが、最近、エク...