【総説】重水素創薬を拡充する重アルキル化剤
本記事は、和光純薬時報 Vol.94 No.2(2026年4月号)において、
大阪大学大学院薬学研究科・教授 澤間 善成 様、博士研究員(日本学術振興会PD) 阪 一穂 様に執筆いただいたものです。
重水素(2H ; D)は、水素(1H ; H)の放射性をもたない安定な同位体である。近年、重水素化化合物は、ラマン分光や中性子散乱など様々な科学分野で活用されている。特に創薬分野では、重水素化医薬品(重医薬品;ヘビードラッグ)が注目されている1)。炭素-重水素(C-D)結合は炭素-水素(C-H)結合よりも強固になるという速度論的同位体効果が知られている。したがって、医薬品の代謝部位のC-H結合を安...
