キレート樹脂濃縮法による環境水試料の前処理法における注意点
本記事は、環境省 環境調査研修所 主任教官 藤森 英治 様に執筆いただいたものです。
誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)は、極微量レベルの多元素同時分析が可能であり、汎用的な分析機器のうち最も高感度な元素分析法である。環境分析の分野においても、コリジョン・リアクションセル技術の発展に伴い、その適用範囲は急速に拡大している。イミノ二酢酸系キレート樹脂を用いる固相抽出法(キレート樹脂濃縮法)は、遷移金属類の多元素濃縮とアルカリ・アルカリ土類金属の除去が同時に達成できることから、...