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合成・材料

合成・材料 特別講座

【特別講座】ナフチルメトキシメチル:扱いやすくて酸化的に外せるベンジルオキシメチル系保護基

本記事は、OrganicSquare Vol.55 (2016年3月号)において、九州大学大学院理学研究院化学部門 鳥飼 浩平 様に執筆いただいたものです。

ベンジル(Bn)基やその置換体は有機合成化学分野で保護基として長く利用されてきた。ベンジル系保護基最大の利点は何と言っても加水素分解(例えば H2、Pd/C)により容易かつクリーンに除去できることである。加えて p-メトキシベンジル(PMB)や 2-ナフチルメチル(NAP)基は 2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(DDQ)や硝酸二アンモニウムセリウムIV(CAN)といった酸化剤に...

合成・材料 特別講座

【特別講座】次世代 LIB 用高容量 Si 系負極における架橋型ポリアクリル酸バインダーの効果

本記事は、OrganicSquare Vol.55 (2016年3月号)において、東京理科大学 駒場 慎一 様に執筆いただいたものです。

小型の携帯機器などに現在広く普及しているリチウムイオン電池(LIB)を電気自動車や大型蓄電デバイスに適用するために、さらなる高エネルギー密度化が求められ、研究が進められている。負極活物質として黒鉛が一般的であるが、次世代材料として高容量シリコン系材料が注目されている 1)。シリコンを電気化学的に還元するとリチウムシリサイドが生成し、室温において黒鉛のおよそ 10 倍の理論容量(~3600mAh g...

合成・材料 総説

【総説】高活性第 1 級アルコール酸化触媒:DMN-AZADO

本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.1(2016年1月号)において、名古屋大学大学院創薬科学研究科 澁谷 正俊先生、東北大学大学院薬学研究科 岩渕 好治先生に執筆いただいたものです。

有機ニトロキシラジカル TEMPO を触媒とするアルコールの酸化反応では、基質中に第 1 級アルコールと第 2 級アルコールが共存する場合、第 1 級アルコールが選択的に酸化されることが知られている。 高度に酸素官能基化された天然物や生物活性化合物の合成では、しばしば複数の水酸基を持つ基質の特定の水酸基のみを選択的に変換する必要がある。このような場合、通常保護基を用いて目的以外の水酸基をマスクする...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.10「Bredereck試薬の活用」

オレフィンメタセシスや、C-H結合活性化反応など、遷移金属触媒を活用した炭素-炭素結合生成反応の進展は目覚ましく、有機合成の世界を大きく変えつつある。しかし一方で、カルボニル基の化学を中心とした、いわば「古典的な」反応も、価値を失ったわけではもちろんない。扱いやすさ、廃棄物処理の簡便さなどのメリットを考えれば、改めて光を当てるべき反応や試薬も多数ある。1968年にH. Bredereckらが報告し...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.09「フッ素化剤」

近年、フッ素の導入反応は、合成反応研究における大きなトレンドとなっている。それというのも、含フッ素化合物の可能性に大きな注目が集まっているからであろう。フッ素は原子半径が水素に次いで小さく、かつ全元素中最大の電気陰性度を示す。このため、水素の代わりに化合物に導入すれば、分子のサイズはほとんど変わりないまま、電子的性質を大きく変えることができる。

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