【特別講座】RAFT重合 Reversible Addition-Fragmentation Chain Transfer Polymerization
本記事は、OrganicSquare Vol.56 (2016年6月号)において、徳島大学 客員教授 田中 均 様に執筆いただいたものです。
高分子の組成、サイズ、立体構造などは、その材料物性および機能に大きく影響する。同じポリスチレン、ポリアクリレートであっても、サイズ(分子量および分子量分布)と立体構造が異なれば、機械・熱・光学特性は全く違ったものになる。これら分子量等を制御するため、これまで様々な精密重合が試みられ、イオン重合ではほぼその目的を達成した。一方、イオン重合に比べ多くの利点を有するラジカル重合による構造制御ポリマーの合...