siyaku blog

- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

合成・材料

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.10「Bredereck試薬の活用」

オレフィンメタセシスや、C-H結合活性化反応など、遷移金属触媒を活用した炭素-炭素結合生成反応の進展は目覚ましく、有機合成の世界を大きく変えつつある。しかし一方で、カルボニル基の化学を中心とした、いわば「古典的な」反応も、価値を失ったわけではもちろんない。扱いやすさ、廃棄物処理の簡便さなどのメリットを考えれば、改めて光を当てるべき反応や試薬も多数ある。1968年にH. Bredereckらが報告し...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.09「フッ素化剤」

近年、フッ素の導入反応は、合成反応研究における大きなトレンドとなっている。それというのも、含フッ素化合物の可能性に大きな注目が集まっているからであろう。フッ素は原子半径が水素に次いで小さく、かつ全元素中最大の電気陰性度を示す。このため、水素の代わりに化合物に導入すれば、分子のサイズはほとんど変わりないまま、電子的性質を大きく変えることができる。

合成・材料 特別講座

【特別講座】ペプチド合成の最近の進歩

本記事は、OrganicSquare Vol.53 (2015年9月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

プロテイン(protein)という言葉は、「第一の物質」を表すギリシャ語からきている。ペプチド及びタンパク質が、生命にとって文字通り「第一の物質」であることは、論をまたないところだろう。となれば、その合成法が化学における重要テーマであり続けていることも、不思議なことではない。 現在では、ほしい配列のタンパク質に対応する遺伝子を、大腸菌などの宿主に組み込んで発現させる遺伝子工学的な技法が普及し、十分...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.08「フィンケルシュタイン反応とその関連反応」

筆者はかつて、製薬企業の研究所に勤務していた。医薬候補化合物の最適化段階においては、主骨格に多数の置換基を導入し、最も活性の高いものを探索する検討が行われる。このため、多数のアルキル化剤を用意しなければならなかった。この工程で多用したのが、塩化アルキルに対してヨウ化ナトリウムを作用させ、ヨウ化アルキルへ変換する、ハロゲン交換反応であった。溶媒としてはアセトンまたはメチルエチルケトン(MEK)、N,...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.07「ペプチド合成における酸塩化物の活用」

望みの配列を持ったペプチドを合成する技術の重要性は、今さらくだくだしく述べるまでもないだろう。実のところ、ペプチドはアミノ酸が一列につながっただけの単純な化合物でありながら、その合成は奥が深い。この分野の祖というべきエミール・フィッシャーが、初めてペプチドを合成したのは20世紀初頭のことであるが、より優れた方法を求めて、なおも研究は続いている。長い間に様々な合成技法が開発されてきたが、以下の基本的...

キーワード検索

月別アーカイブ

当サイトの文章・画像等の無断転載・複製等を禁止します。