siyaku blog

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合成・材料

合成・材料 特別講座

【特別講座】ペプチド合成の最近の進歩

本記事は、OrganicSquare Vol.53 (2015年9月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

プロテイン(protein)という言葉は、「第一の物質」を表すギリシャ語からきている。ペプチド及びタンパク質が、生命にとって文字通り「第一の物質」であることは、論をまたないところだろう。となれば、その合成法が化学における重要テーマであり続けていることも、不思議なことではない。 現在では、ほしい配列のタンパク質に対応する遺伝子を、大腸菌などの宿主に組み込んで発現させる遺伝子工学的な技法が普及し、十分...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.08「フィンケルシュタイン反応とその関連反応」

筆者はかつて、製薬企業の研究所に勤務していた。医薬候補化合物の最適化段階においては、主骨格に多数の置換基を導入し、最も活性の高いものを探索する検討が行われる。このため、多数のアルキル化剤を用意しなければならなかった。この工程で多用したのが、塩化アルキルに対してヨウ化ナトリウムを作用させ、ヨウ化アルキルへ変換する、ハロゲン交換反応であった。溶媒としてはアセトンまたはメチルエチルケトン(MEK)、N,...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.07「ペプチド合成における酸塩化物の活用」

望みの配列を持ったペプチドを合成する技術の重要性は、今さらくだくだしく述べるまでもないだろう。実のところ、ペプチドはアミノ酸が一列につながっただけの単純な化合物でありながら、その合成は奥が深い。この分野の祖というべきエミール・フィッシャーが、初めてペプチドを合成したのは20世紀初頭のことであるが、より優れた方法を求めて、なおも研究は続いている。長い間に様々な合成技法が開発されてきたが、以下の基本的...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.06「イオン液体」

イオン性化合物といえば、塩化ナトリウムに代表されるように、陽イオンと陰イオンが規則正しく積み重なった結晶性の固体となるのが一般的だ。しかしこの常識に反し、液体として存在するイオン性化合物も存在する。このように、常温付近(一般に100℃以下)で液体となるイオン性化合物を「イオン液体」と呼んでおり、近年注目を集めている1)。 イオン液体の発見は1914年にさかのぼるが、長らくその可能性が省みられること...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.05「Trost酸化」

アルコールから、アルデヒドまたはケトンへの酸化は、有機合成において最も頻出する反応のひとつであり、古くから様々な方法が工夫されてきた。かつてはこの目的に、クロム酸塩類がよく用いられていたが、毒性や環境負荷など多くの問題があった。しかし近年では改良が進み、安全性・操作性・選択性が改善された反応がいくつも報告されている。化学者はそれらの特徴をよく知り、状況に応じて使い分けなければならない。中でもSwe...

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