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連載

ライフサイエンス 連載

【連載】よくわかるBDNF -基礎から臨床まで-「第2回 BDNF発生発達期の機能と発達障害との関係」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、香川大学 医学部 鈴木 辰吾様に執筆いただいたものです。

BDNFは神経活動依存的に神経細胞から放出される栄養因子であり、シナプスの再編を誘導して記憶や学習に関与する。一方、BDNFは、発達期の脳において、神経細胞の生存の維持や分化誘導、シナプス形成やシナプス結合の誘導などのさまざまな作用を有するため、その重要性は理解されているものの、その機能の本体を捉えることが難しい。近年の研究より、発達期におけるBDNFの発現低下が神経回路の形成異常に関連する可能性...

培養 ライフサイエンス 連載

【連載】ヒトiPS 細胞由来分化細胞の創薬応用「第2回  ヒト iPS細胞やオルガノイドを用いたSARS-CoV-2研究」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、京都大学 iPS 細胞研究所 出口 清香様、高山 和雄様に執筆いただいたものです。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)は、2019年12月に中国で最初に症例報告されたのち、2020年1月には日本や米国、韓国、豪州、英国で、2月にはブラジルでも感染者の存在が確認され、2020年3月には世界保健機関(WHO)によりパンデミックが宣言された。2021年9月1日現在、SARS-CoV-2感染者数は2.18億人、死亡者数は452万人であり、いまだに収...

分析 連載

【連載】微量元素分析 -さまざまな分野での活用事例とその重要性-「第1回 医薬品の元素不純物ガイドラインにおけるリスクアセスメント及び管理について」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.3(2021年7月号)において、株式会社 住化分析センター TS 本部 大阪ラボラトリー 物性特性 G 西岡 利奈様、花河 奏一郎様に執筆いただいたものです。

医薬品中の元素不純物規制は、医薬品規制調和国際会議(ICH)にて元素不純物のガイドラインが作成され、日本においては平成27年9月30日付けで「医薬品の元素不純物ガイドラインについて」(薬食審査発0930第4号)として公報された。近年では第十七改正日本薬局方第二追補(令和元年6月28日 厚生労働省告示第49号)に、元素不純物ガイドラインの内容を踏まえた参考情報「製剤中の元素不純物の管理」が収載されて...

ライフサイエンス 連載

【連載】よくわかるBDNF -基礎から臨床まで-「第1回 BDNF概論」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.3(2021年7月号)において、新潟大学 脳研究所腫瘍病態学 武井 延之様に執筆いただいたものです。

BDNF研究は神経細胞の生存維持、分化誘導といった「古典的」作用に始まり、神経伝達、シナプス可塑性の制御という新たな作用へと展開されてきた。それに伴い、疾患との関係でも細胞死を伴う神経変性疾患への関与と治療への応用の試みから、神経機能異常(あるいは回路形成異常)と考えられる精神疾患や発達障害への関与や治療へと関心が変化してきている。図1に時系列に沿ったBDNF研究の流れを示し、本項ではBDNFの概...

ライフサイエンス 連載

【連載】ミクログリア研究の最前線−基礎から臨床へ− 「第5回 ヒ ト血液を用いた脳内ミクログリア活動性予測による心のリバース・トランスレーショナル研究」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.3(2021年7月号)において、九州大学大学院 医学研究院 精神病態医学 加藤 隆弘様に執筆いただいたものです。

近年、神経変性疾患に限らず様々な精神神経疾患において脳内炎症に重要な働きを担う免疫細胞ミクログリアの関与が示唆されているが、ヒトでの知見は限られている。従来、ミクログリアをターゲットとした臨床研究は、死後脳研究とPET研究が中心であった。こうした研究により、統合失調症患者、うつ病患者、自閉スペクトラム症患者、そして、自殺者の脳内でミクログリアの過剰活性化が報告されている。PET技術により生きている...

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