【連載】微量元素分析 -さまざまな分野での活用事例とその重要性-「第3回 キ レート樹脂濃縮法による環境水試料の前処理法における注意点」
本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.1(2022年1月号)において、環境省 環境調査研修所 藤森 英治様に執筆いただいたものです。
誘導結合プラズマ質量分析法(ICPMS)は、極微量レベルの多元素同時分析が可能であり、汎用的な分析機器のうち最も高感度な元素分析法である。環境分析の分野においても、コリジョン・リアクションセル技術の発展に伴い、その適用範囲は急速に拡大している。イミノ二酢酸系キレート樹脂を用いる固相抽出法(キレート樹脂濃縮法)は、遷移金属類の多元素濃縮とアルカリ・アルカリ土類金属の除去が同時に達成できることから、I...