【連載】エクソソームと生命現象「第 6 回 エクソソームとウイルス」
本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.3(2019年7月号)において、東海大学総合医学研究所造血腫瘍分野 東海大学医学部血液・腫瘍内科 柿崎 正敏様、幸谷 愛様に執筆いただいたものです。
ウイルス感染症は有史以前から存在していたが、病原体としてウイルスが認識されるようになったのは、1898年に口蹄疫ウイルスが発見されてからである。ヒトの病気に関わるウイルスは数百種類とされており、日常でよく遭遇する呼吸器や消化器などの急性感染症から、AIDSやB型・C型肝炎、子宮頸がんなど慢性疾患としての経過をたどる感染症まで多種多様である。近年、ウイルスの生存戦略にウイルスと同様に細胞外小胞(Ex...