siyaku blog

- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

ライフサイエンス

培養 ライフサイエンス 総説

【総説】再生研究における細胞単離用抗 CPM 抗体の活用

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.1(2019年1月号)において、京都大学大学院 医学研究科 呼吸器疾患創薬講座 後藤 慎平様に執筆いただいたものです。

ヒト多能性幹細胞(ES および iPS細胞)が誕生して以来、様々な臓器細胞に分化させる技術が確立され、再生医療もようやく現実的なものになりつつある。特にヒト iPS 細胞を用いた網膜色素変性症の細胞移植治療に加え、重症虚血性心筋症やパーキンソン病に対する臨床研究・治験も始まろうとしており、呼吸器を含むその他の臓器の再生医療についても期待が高まっている。 まだ基礎的な研究の域ではあるが、人工気管の研...

合成・材料 分析 ライフサイエンス 特別講座

【特別講座】CTX-ELISA 1Bの開発物語

本記事は、ChemGrowing Vol.07 (2018年12月号)において、東北大学名誉教授・(株)アクロスケール 平間正博 様に執筆いただいたものです。

科学研究の中でも特に化学は、「興味あるもの」を「創りたい・発見したい」、という「好奇心・志」から始まり、「時・地の利・人の和(輪)」がうまく協働した時に、大きく進展すると思います。私がシガトキシンの抗体を作ってシガトキシンを検出するキットを作りたいと考えたのは、ほぼ30年前です。ちょうど研究室を担当して、新しい全合成研究、しかも人々の役に立つ技術開発につながるような研究をやりたい、と考えた時でした...

ライフサイエンス 連載

【連載】エクソソームと生命現象「第 3 回 細胞老化とエクソソーム」

本記事は、和光純薬時報 Vol.86 No.4(2018年10月号)において、公益財団法人がん研究会 がん研究所 細胞老化プロジェクト 岡田 遼様、国立研究開発法人科学技術振興機構 さきがけ 高橋 暁子様に執筆いただいたものです。

日本人の平均寿命は年々延長し続けており、現在では我が国は世界有数の長寿国として知られている。その一方で、がん・動脈硬化・アルツハイマー・肺線維症・骨粗鬆症のように加齢と共に罹患率が上昇する疾患(加齢性疾患)の増加が深刻な社会問題となっている。 加齢性疾患の発症には様々な複合的な要因があげられるが、その原因の一つとして加齢とともに体内に蓄積した老化細胞が関与している可能性が最近指摘されている。老化細...

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】細胞外小胞の蛍光標識とその問題点

本記事は、和光純薬時報 Vol.86 No.4(2018年10月号)において、富士フイルム和光純薬 ライフサイエンス研究所 請川 亮が執筆したものです。

Exosomeを始めとする細胞外小胞はさまざまな細胞から放出される膜小胞であり、細胞間情報伝達のメッセンジャーとしての役割や疾患バイオマーカーとして近年高い関心を集めている1)。それ故に、ここ数年でさまざまな研究分野において exosome 研究が広がってきているが、実験技術は発展途上であり、改善すべき課題が数多く存在する。 その中で、我々は新規アフィニティー単離法である'PS アフィニティー法'...

合成・材料 ライフサイエンス 連載

【連載】核酸医薬合成基礎講座 「第4回 オリゴヌクレオチド合成におけるキャッピング及び酸化・硫化反応」

本記事は、和光純薬時報 Vol.86 No.4(2018年10月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

前回までに、オリゴヌクレオチド合成における官能基の保護及び脱保護、カップリング反応について記してきた。今回は、キャッピング及び酸化・硫化反応について解説し、全体を総覧したい。

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