siyaku blog

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合成・材料

合成・材料 特別講座

【特別講座】貴金属粉末触媒へのいざない

本記事は、OrganicSquare Vol.50(2014年12月号)において、エヌ・イー ケムキャット株式会社 髙木 由紀夫 様に執筆いただいたものです。

触媒とは特定の化学反応の反応速度を速める物質1)で、自身は反応の前後で変化しないものをいうが、実際の触媒は正確な定義通りにはいかず劣化や成分の溶出などを伴う。貴金属触媒は活性成分が「貴」であるため変化しにくく、比較的定義に近い触媒といえる。

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.03「スマートドラッグ」

あまり品のよくない言葉で恐縮だが、「バカにつける薬はない」という言い回しがある。身体の病や傷を治すことはできるが、頭脳の働きをよくする薬だけはありえない、という意味だ。ところがこの言葉は、どうやら死語になろうとしている。頭をよくする薬、すなわち「スマートドラッグ」が開発され、一般にも普及しつつあるからだ。 加齢によって脳の認知機能が低下する、いわゆるアルツハイマー型認知症の治療薬は、現在最も社会的...

合成・材料 特別講座

【特別講座】N-ヘテロサイクリックカルベンの化学

本記事は、OrganicSquare Vol.48(2014年6月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

近年最も有機化学の世界を大きく変えつつある化合物群として、N-ヘテロサイクリックカルベン(NHC)類がある。遷移金属あるいは典型元素への配位子として、また有機触媒の一種として、NHCは多くの方面で活用され、化学の可能性を大きく押し広げたといえる。 2価の炭素であるカルベンという化学種は古くから知られていたが、あくまで不安定な反応中間体であり、単離は不可能とされてきた。しかし1960年代、Wanzl...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.02「Grignard試薬」

Grignard試薬による、カルボニル化合物への求核的付加反応は、有機合成において最も汎用される反応の一つである。しかしGrignard試薬は塩基性が強いため、基質によってはα位プロトンの引き抜きによるエノール化が優先して進行し、付加体が得られないことがある。また基質の立体障害が大きい場合、ケトンが還元されることがあるなど、存外副反応も多く起こる。これらの副反応を抑制するため、塩化セリウム(III...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.01「Luche還元」

α,β-不飽和ケトンをアリルアルコールに還元するのは、利用頻度が高い反応の一つである。ただしこの時、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)や水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)といった汎用される還元剤を用いると、目的のアリルアルコールの他、1,4-還元を受けた化合物が生成してきてしまう。J. L. Lucheらは1978年、NaBH4に塩化セリウム(III)七水和物(CeCl3・7H2O)を共...

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