siyaku blog

- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

合成・材料

合成・材料 特別講座

【特別講座】N-ヘテロサイクリックカルベンの化学

本記事は、OrganicSquare Vol.48(2014年6月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

近年最も有機化学の世界を大きく変えつつある化合物群として、N-ヘテロサイクリックカルベン(NHC)類がある。遷移金属あるいは典型元素への配位子として、また有機触媒の一種として、NHCは多くの方面で活用され、化学の可能性を大きく押し広げたといえる。 2価の炭素であるカルベンという化学種は古くから知られていたが、あくまで不安定な反応中間体であり、単離は不可能とされてきた。しかし1960年代、Wanzl...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.02「Grignard試薬」

Grignard試薬による、カルボニル化合物への求核的付加反応は、有機合成において最も汎用される反応の一つである。しかしGrignard試薬は塩基性が強いため、基質によってはα位プロトンの引き抜きによるエノール化が優先して進行し、付加体が得られないことがある。また基質の立体障害が大きい場合、ケトンが還元されることがあるなど、存外副反応も多く起こる。これらの副反応を抑制するため、塩化セリウム(III...

合成・材料 Wako Organic Chemical News 連載

【連載】Wako Organic Chemical News No.01「Luche還元」

α,β-不飽和ケトンをアリルアルコールに還元するのは、利用頻度が高い反応の一つである。ただしこの時、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)や水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)といった汎用される還元剤を用いると、目的のアリルアルコールの他、1,4-還元を受けた化合物が生成してきてしまう。J. L. Lucheらは1978年、NaBH4に塩化セリウム(III)七水和物(CeCl3・7H2O)を共...

合成・材料 テクニカルレポート

【テクニカルレポート】WEA シリーズ

本記事は、和光純薬時報 Vol.82 No.1(2014年1月号)において、和光純薬工業 化成品開発本部 商品開発部 清洲 高広が執筆したものです。

これまでパソコンや携帯電話などを中心として使用されてきたリチウムイオン二次電池は環境エネルギーの問題を解決するキーデバイスとして期待されており、自動車や大型蓄電池への適用が始まっている。これをより高性能にするために電極と電解液の界面を制御する技術が求められている。

合成・材料 特別講座

【特別講座】アミド縮合剤の進歩

本記事は、OrganicSquare Vol.46 (2013年12月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

アミド結合は、有機合成において最も頻出する官能基のひとつである。生命にとっての最重要物質であるタンパク質は、アミド結合の塊というべきものだし、各種の天然物、医薬、ナイロンやケブラーなどの人工高分子に至るまで、アミド結合を含む化合物は身近にも数知れない。アミド結合を形成する反応が、長く有機化学における重要課題であり続けているのは、当然のことといえよう。 温和な条件で、他の官能基に影響を与えず、効率よ...

キーワード検索

月別アーカイブ

当サイトの文章・画像等の無断転載・複製等を禁止します。