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特別講座

合成・材料 特別講座

【特別講座】新規高活性アルコール酸化触媒 Nor-AZADO の有用性

本記事は、OrganicSquare Vol.45 (2013年9月号)において、東北大学大学院薬学研究科 岩渕 好治 様に執筆いただいたものです。

アルコールの酸化反応は、有機合成において有用なカルボニル化合物を獲得するための重要反応として古くから研究され、これまで幾多の優れた反応剤、手法が開発されてきた。歴史的には重金属酸化物を化学量論量用いる方法がいち早く発展、普及したが、研究対象とする分子のサイズと複雑さが増加するに連れて選択性・効率性に優れた酸化反応が求められ、Swern 酸化、超原子価ヨウ素試薬などの手法、反応剤が開発されてきた。

合成・材料 特別講座

【特別講座】酸化触媒の最近の進展

本記事は、OrganicSquare Vol.45 (2013年9月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

カルボニル基は最も基本的な酸素官能基であり、数多くの天然物がこれを含有している。また、カルボニル基を足がかりとして、様々な置換基を導入する方法も数多く開発されている。このため、その導入及び変換は有機合成化学の基本中の基本というべき反応であり、多くの教科書で真っ先に取り上げられている。中でもヒドロキシ基を酸化してカルボニル基に変換するのは、最も利用頻度の高い反応のひとつである。このため、古来多くの手...

合成・材料 特別講座

【特別講座】ターボ Grignard 試薬の展開

本記事は、OrganicSquare Vol.44 (2013年6月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

エーテル溶媒に浸した金属マグネシウムに、ハロゲン化アルキルの溶液をゆっくりと滴下し、Grignard 試薬を生成させる。これは、有機合成化学者なら必ず経験する実験であろう。筆者も初めて Grignard 試薬を作った際には、先輩に見守ってもらいながら、反応が暴走しないようにおっかなびっくりで実験を行ったことをよく覚えている。無事実験を終えた後、何か化学者としてひとつステップを上がったようで、少し誇...

合成・材料 特別講座

【特別講座】オレフィンメタセシス触媒の最近の進歩

本記事は、OrganicSquare Vol.41 (2012年9月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

長い化学の歴史の中で、有機合成を根底から変えた反応のひとつとして、オレフィンメタセシス反応を挙げることに異論のある者はないであろう[1]。最も安定な結合である炭素-炭素二重結合が切れて組み替わる、他にほとんど類例がないユニークな反応である。オレフィンメタセシスの歴史は意外に古く、その発見は 1960 年代にまで遡ることができる。特異な反応形式は多くの化学者の興味を惹き、早い時期からメカニズムの解明...

合成・材料 特別講座

【特別講座】拡大するボロン酸の化学

本記事は、OrganicSquare Vol.39 (2012年3月号)において、東京大学大学院 理学系研究科化学専攻 特任助教 佐藤 健太郎 様に執筆いただいたものです。

2010 年のノーベル化学賞が、R. Heck・根岸英一・鈴木章の 3 氏に与えられたことはまだ記憶に新しい。受賞対象となったクロスカップリング反応の中でも、ボロン酸及びその誘導体を基質として用いる「鈴木-宮浦反応」の有用性は極めて高く、この試薬の存在こそがノーベル賞への決め手であったといっても過言ではない(図 1)[1]。

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