siyaku blog

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ライフサイエンス

ライフサイエンス 総説

【総説】結晶構造から読み解くPAタグシステムの原理とタンパク質ループ構造への挿入

本記事は、和光純薬時報 Vol.85 No.1(2017年1月号)において、大阪大学 蛋白質研究所 高木 淳一先生、有森 貴夫先生、松永 幸子先生に執筆いただいたものです。

タンパク質の構造解析や機能解析を行うためには高純度の精製タンパク質が必要であり、筆者らの研究室ではより効率的な試料調製を行なうためのカスタムアフィニティータグシステムを開発してきた1,2)。中でもPAタグシステムは、12残基からなるPAタグ(GVAMPGAEDDVV)が、それに対するモノクローナル抗体NZ-1に対して極めて高い親和性で特異的に結合し(KD = 4 × 10-10 M)、しかもPAペ...

分析 ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】α-グルコシダーゼ活性阻害測定キットの開発

本記事は、和光純薬時報 Vol.85 No.1(2017年1月号)において、和光純薬工業 試薬化成品研究所 松井 泰子が執筆したものです。

酵素活性を保証したα-グルコシダーゼ酵素を含む、「α-グルコシダーゼ活性阻害測定キット」(以下、キット)を開発した。別売りの「ラボアッセイ™グルコース」と組合せることで、食品などに含まれる成分のα-グルコシダーゼ阻害作用を測定することが可能である。 キット中のα-グルコシダーゼは二糖類(スクロース及びマルトース)を基質とした分解活性を保証しており、α-グルコシダーゼ阻害活性(IC50)値を測定する...

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】高性能 Bisulfite の開発

本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.4(2016年10月号)において和光純薬工業 ライフサイエンス研究所 林田 幸信が執筆したものです。

生体内におけるゲノムDNA のメチル化は遺伝子発現の制御に関わり、メチル化のパターンの差異が、発生、分化、がん等の疾患に関係することが報告されています。ゲノムDNA のメチル化解析は病気の原因解明や予防、医薬品の開発、再生医療の研究等において重要な役割を持っています。 現在、DNA 塩基配列中のメチル化シトシンを測定する方法としては Bisulfite 法が一般的な方法として普及しています。 従来...

ライフサイエンス 総説

【総説】植物組織透明化試薬 ClearSee® の開発

本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.4(2016年10月号)において、名古屋大学大学院理学研究科 栗原 大輔 様に執筆いただいたものです。

蛍光タンパク質のめざましい発展により、今日では細胞やオルガネラだけではなく、タンパク質一分子までも蛍光タンパク質で標識して可視化できるようになっている。可視化された細胞やオルガネラ、分子の挙動を観察することで、生物のからだの成り立ちや構造、機能が解析されている。しかし、植物細胞はさまざまな自家蛍光物質を持っているため、無傷のまま、植物内部に存在する細胞の蛍光タンパク質を観察することは未だ難しいのが...

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】最近のミクログリア研究の動向と新しい標識 Iba1 抗体

本記事は、和光純薬時報 Vol.84 No.3(2016年7月号)において、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 微細構造研究部 佐栁 友規 様に執筆いただいたものです。

中枢神経系は神経細胞とグリア系細胞から構成される。グリア系細胞は、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアに大別され、なかでもミクログリアは脳内免疫担当細胞として脳病態・損傷時における神経障害をいち早く感知して活性化される。活性化に伴いミクログリアはその数や形態を大きく変化させ、障害部位への遊走、死細胞の貪食、炎症性サイトカインなどの産生増加など様々な機能を発揮することから、種々の中枢神...

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