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- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

ライフサイエンス

ライフサイエンス 連載

【連載】ミクログリア研究の最前線−基礎から臨床へ− 「第6回 ミクログリア-アストロサイト連関による脳卒中の制御」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、山梨大学大学院 総合研究部 医学域 薬理学講座 小泉 修一様に執筆いただいたものです。

グリア細胞が脳機能に果たす役割が次々と明らかにされている。特に種々の脳疾患時には、グリア細胞が、素早く、大きく、多様に変化することから、これらグリア細胞の変化が脳の異常及び修復過程で重要な役割を果たすのではないか、と考えられるようになっている。これらの仮説は、少しずつ受け入れられるようになってきているが、明らかにすべき課題が幾つも残されている。例えば、グリア細胞研究はin vitro とin vi...

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】超耐熱性エンド型セルラーゼの開発とその応用例

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、大関株式会社 総合研究所 仙波 弘雅様、坪井 宏和様、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 石川 一彦様に執筆いただいたものです。

世界的なバイオエタノール産業への関心の高まりとともに、セルロース加水分解酵素(セルラーゼ)の研究が盛んに行われてきた。特に糸状菌Trichoderma reesei は多量のセルラーゼを菌体外に分泌することから多くの研究が行われており、現在様々な分野で使用されている。一方でT. reesei 由来セルラーゼに代表される一般的なセルラーゼは熱安定性が低いことが多く、60℃程度の温度でその機能を失って...

ライフサイエンス 連載

【連載】よくわかるBDNF -基礎から臨床まで-「第2回 BDNF発生発達期の機能と発達障害との関係」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、香川大学 医学部 鈴木 辰吾様に執筆いただいたものです。

BDNFは神経活動依存的に神経細胞から放出される栄養因子であり、シナプスの再編を誘導して記憶や学習に関与する。一方、BDNFは、発達期の脳において、神経細胞の生存の維持や分化誘導、シナプス形成やシナプス結合の誘導などのさまざまな作用を有するため、その重要性は理解されているものの、その機能の本体を捉えることが難しい。近年の研究より、発達期におけるBDNFの発現低下が神経回路の形成異常に関連する可能性...

培養 ライフサイエンス 連載

【連載】ヒトiPS 細胞由来分化細胞の創薬応用「第2回  ヒト iPS細胞やオルガノイドを用いたSARS-CoV-2研究」

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、京都大学 iPS 細胞研究所 出口 清香様、高山 和雄様に執筆いただいたものです。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)は、2019年12月に中国で最初に症例報告されたのち、2020年1月には日本や米国、韓国、豪州、英国で、2月にはブラジルでも感染者の存在が確認され、2020年3月には世界保健機関(WHO)によりパンデミックが宣言された。2021年9月1日現在、SARS-CoV-2感染者数は2.18億人、死亡者数は452万人であり、いまだに収...

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】間葉系幹細胞由来エクソソーム産生用無血清培地の開発 エクソソームを利用した再生医療の実現に向けて

本記事は、和光純薬時報 Vol.89 No.4(2021年10月号)において、富士フイルム和光純薬 ライフサイエンス研究所 丸谷 祐樹、山根 昌之が執筆したものです。

細胞外小胞 (Extracellular vesicle : EV) は、細胞より放出される脂質二重膜の小胞体で細胞間のコミュニケーションツールとしての機能を持つ。EVの一種として分類されるエクソソームは、種々の生体機能の制御に関わると考えられており、疾患バイオマーカーや治療用製剤への利用が期待されている。治療用製剤への利用においては抗炎症や抗線維化といった効果を有する間葉系幹細胞 (Mesenc...

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