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ライフサイエンス

ライフサイエンス 総説

【総説】ステルス型RNAベクターの開発と次世代細胞リプログラミング技術への応用

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.1(2022年1月号)において、ときわバイオ株式会社 中西 真人様に執筆いただいたものです。

遺伝子導入による細胞リプログラミングは、マウスの線維芽細胞(真皮などの結合組織を構成する細胞)を筋肉の細胞に転換できるMyoD遺伝子の発見によりその端緒が開かれた1)。しかし、多くの研究者の懸命な努力にもかかわらず、単独で細胞の性質を転換可能な「マスター遺伝子」はMyoD以外には見つからなかった。

ライフサイエンス テクニカルレポート

【テクニカルレポート】細胞内アセチルCoAを活性化して可視化する蛍光検出プローブ

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.1(2022年1月号)において、東京大学大学院 薬学系研究科 山次 健三様、金井 求様に執筆いただいたものです。

生体分子は様々な化学修飾を受けることによって多様な機能を発揮する。例えば、生体機能の中心を担うタンパク質は翻訳後修飾を受けることで、限られたゲノム情報(〜2万5千の遺伝子)から100万以上のプロテオームを形成している。その翻訳後修飾の代表がタンパク質リジン残基のアセチル化であり、アセチル化酵素がアセチルCoAを唯一のアセチル化剤として用いてヒストンをはじめとする様々なタンパク質をアセチル化し、遺伝...

培養 ライフサイエンス 連載

【連載】ヒトiPS 細胞由来分化細胞の創薬応用「第3回  ヒト iPS細胞由来肝細胞を用いたin vitro肝評価系構築の可能性」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.1(2022年1月号)において、崇城大学 生物生命学部 石田 誠一様に執筆いただいたものです。

ヒトiPS細胞由来の肝細胞は、iPS細胞の研究初期の段階から多くの分化誘導法が報告されているにもかかわらず、創薬への応用が進まない細胞の一つとされてきた。筆者はAMED再生医療実用化研究事業「ヒトiPS細胞由来肝細胞を用いた医薬品の肝毒性を予測・評価するin vitro 試験法の開発研究」(2017年-2019年)において、iCell-hep等のiPSC細胞由来肝細胞の肝毒性評価項目への適用性につ...

ライフサイエンス 連載

【連載】よくわかるBDNF -基礎から臨床まで-「第3回 BDNFと精神疾患との関与(BDNF経路を介した可塑性の制御と精神疾患)」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.1(2022年1月号)において、ヘルシンキ大学 ニューロサイエンスセンター 梅森 十三様に執筆いただいたものです。

これまでに、BDNF経路は神経可塑性の制御に関わっていることを述べた。可塑性が高まると、学習や環境の変化に適応して、神経回路は構造的、機能的に再編成される。病態生理学的な(前)臨床研究により、統合失調症やうつ病などの精神疾患において、BDNFおよびその受容体であるTrkBを介したシグナル伝達の異常が報告されている。また近年、抗うつ薬がBDNF/TrkBシグナル伝達を通じた神経可塑性を調節するメカニ...

ライフサイエンス

mRNAワクチン・医薬品の研究開発と製造

本記事はTriLink BioTechnologies提供の記事を当社にて和訳したものです。

mRNA(メッセンジャーRNA)をベースとしたワクチンは、新たなワクチンであり、生ワクチンやサブユニットワクチンの代替として期待されています。mRNAワクチンは、抗原をコードするmRNAを体内で発現させます。抗原は細胞内で発現されるため、mRNAワクチンはサブユニットワクチンとは異なるMHCクラス応答を誘導します。従来のワクチンと比べ、mRNAワクチンは、比較的安価かつ短期間で大量生産が可能です。...

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