siyaku blog

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ライフサイエンス

ライフサイエンス 連載

【連載】よくわかるBDNF―基礎から臨床まで―「第5回 BDNF 研究のこれから」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.3(2022年7月号)において、藤田医科大学 研究推進本部 小清水 久嗣様に執筆いただいたものです。

本シリーズではこれまでの4回の連載を通じ、脳由来神経栄養因子(BDNF)が中枢神経系の正常な発達や機能発現において重要な役割を果たすほか、統合失調症や自閉症をはじめとした精神疾患の病態形成に関与する可能性があることなどをみてきた。ちょうど40年前にBardeとThonenがBDNFの単離の成功を報告して以降1)、BDNFに関する論文は今日までに実に28,800報以上が出版されている(2022年4月...

ライフサイエンス

尿中L-FABPはシスプラチン誘発性急性腎障害の予測因子

本記事は、シミックホールディングスが編集する「News Letter L-FABP No.23」をもとに掲載しています。

シスプラチンを用いた化学療法(cisplatin-based chemotherapy; CIS-CT)は尿路上皮癌に対する標準的な治療法である。一方で、シスプラチンが腎毒性を有することも良く知られており、CIS-CTを受けた患者の25~35%に急性腎障害(AKI)や機能障害が認められる。このようなシスプラチン誘発性腎障害は、治療薬投与量の制限や投与そのものの中止につながり、治療効果を損なうおそれ...

ライフサイエンス

熱中症患者における 腎障害の早期バイオマーカー:前向き観察研究

本記事は、シミックホールディングスが編集する「News Letter L-FABP No.22」をもとに掲載しています。

地球温暖化に伴い年間平均気温が上昇傾向にあり、暑熱環境に関連する疾患は世界的にも深刻な懸念事項となっている。日本国内においても近年、熱中症患者数が増加傾向にある。熱中症は労作性と非労作性に分けられる。前者はアスリートや消防士、陸上自衛隊を含む軍関係者など、比較的若く健康で活動量の多い人に多く見られることから、非労作性の古典的な熱中症よりも死亡率が低いとされるが、一方で急性腎障害(AKI)のリスクが...

ライフサイエンス 総説

【総説】細胞外小胞の臨床プロテオミクス解析 -血液を巡る細胞外小胞の多検体自動精製技術の開発-

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、医薬基盤・健康・栄養研究所 プロテオームリサーチプロジェクト 村岡 賢様、足立 淳様に執筆いただいたものです。

近年、がん、神経疾患、心血管疾患、感染症など様々な医学研究分野において、細胞外小胞の研究が進められている。細胞外小胞は、タンパク質、核酸や脂質などを内包しており、これらの構成成分が細胞や疾患ごとに違いを示し、様々な機能を持ち疾患の病態変化に大きく影響を与えていることが知られている。そのため、血液などから採取した細胞外小胞は、病気の早期発見、モニタリング、薬効効果などのバイオマーカーを含むのではない...

培養 ライフサイエンス 総説

【総説】超高純度ヒト骨髄由来間葉系幹細胞REC

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、島根大学 医学部 生命科学講座、PuREC株式会社 陶山 隆史様、松崎 有未様に執筆いただいたものです。

間葉系幹細胞(MSC)は、抽出した骨髄細胞から、MSCの培養皿への接着性を利用して比較的簡単な手順で分離することができ、主にin vitro で軟骨や骨への分化誘導を行い、その後、局所移植を行うなどの臨床研究が行われてきた。

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