【テクニカルレポート】グラジエント分析時の注意点について
本記事は、和光純薬時報 Vol.64 No.4(1996年10月号)において、和光純薬工業 大阪研究所 上森 仁志が執筆したものです。
HPLC分析においては、通常一定組成の溶媒で溶離するイソクラティック分析法と、時間とともに移動相の組成を変化させて溶離するグラジエント分析法が用いられている。グラジエント分析法は、移動相の溶媒混合比、イオン強度、pHなどを時間とともに凸型、直線型、凹型に変化させ(ODS充てん剤など逆相系では溶媒の混合比を直線型に変化させる場合が圧倒的に多いが)、保持能(k')が小さく溶出が早いため分離が不完全な成...