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【クロマトQ&A】カラムの性能をチェックする場合、標準品としては何を使用したらよいですか。

本記事は、Analytical Circle No.1(1996年5月号)に掲載されたものです。

カラムの性能をチェックする場合、標準品としては何を使用したらよいですか。

A1

  • 逆相系充てん剤では、弊社はウラシル、ベンゼン、ナフタレンの3成分を使用しています。
  • ウラシルは、非保持容量(Vo)の確認のために使用しています。
  • カラムの性能チェックには最低2成分(ベンゼン、ナフタレン)が必要です。
  • その他、金属配位性化合物、塩基性化合物、酸性化合物などの性能チェックには表の物質等が使用されています。
  • 安定な物質であれば実際に分析する試料をスタンダードとする方法も実用的です。
表.
金属配位性化合物 アセチルアセトン、フェニルアセチルアセトン、ヒノキチオール、8-キノリノール
塩基性化合物 アニリン、N-メチルアニリン、N,N-ジメチルアニリン、ピリジン、2-エチルピリジン、カフェイン
酸性化合物 フェノール
中性化合物 ベンゼン、トルエン、ナフタレン

A2

カラムは丁寧に使用していても劣化を避けることはできません。使用中の急なトラブルをできる限り回避するためにも、カラムを定期的にチェックし現状を把握することが重要です。

ここでは簡単な方法としてカラム出荷時の検査方法をご紹介します。

当社ではODSカラムの場合、1)ウラシル 2)ベンゼン 3)ナフタレンの3成分により理論段数(N)、保持能(k')、分離係数(α)、ピーク対称性(S)をチェックしています。

またカラム圧力をモニターすることにより、カラムフィルターやカラム入口側の充てん剤汚れ(圧力上昇)もチェックすることができます。

検査方法

図1.カラム性能チェックのための基本チャート

図1を参考にして、下記の式で算出してください。定規などによる測定では誤差が大きくなりますので(特にN)目安として考えてください。また、チャートスピードを速くしてピーク幅を広く取るとNやSの算出が容易になります。

注)カラムを検査する時は、

  1. 必ずカラム温度を一定にしてください・・・(参考:40 ℃)
  2. サンプルの濃度、注入量を一定にしてください・・・(参考:図1のサンプル濃度で5~10 µL)
値が小さくなると充てん状態の低下、充てん剤の汚染が考えられます。
値が小さくなると、ODS基のリークが考えられます。
値が小さくなるとk'低下の原因のほか、充てん剤の汚染による選択制の変化が考えられます。
購入時より大きく値が振れる場合は、充てん状態の低下、充てん剤の汚染、カラム接続部等のデッドボリュームが考えられます。

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