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合成・材料

合成・材料 総説

【総説】UV硬化添加剤による酸素阻害抑制・特異な反応性による樹脂の高機能化

本記事は、和光純薬時報 Vol.91 No.1(2023年1月号)において、株式会社クラレ スペシャリティケミカル生産・技術・開発部 佐々木 佑希様、福本 隆司様に執筆いただいたものです。

UV硬化樹脂は瞬間硬化による生産性の高さおよび、省エネルギーで環境配慮に優れている点から、塗料・コーティング・接着剤などの多くの用途にて使用されている。コーティング組成物に配合される成分としては多岐にわたるが、硬化に係る反応性基としてはラジカル重合性反応基が一般的に使用される。 ラジカル重合におけるもっとも普遍的な課題として、空気中の酸素による硬化阻害(酸素阻害)1)が挙げられる。これは、ラジカル...

合成・材料 連載

【連載】有機分子触媒の軌跡 -基礎から応用まで-「第2回 有機触媒の発展」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.4(2022年10月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎に執筆いただいたものです。

前回、有機触媒の定義とその特徴、発見にいたるまでの歴史について述べた。今回は、さまざまなタイプの有機触媒が報告され、爆発的に進展した過程について述べてゆきたい。

合成・材料 総説

【総説】連続フロー選択的水素化反応のためのポリシラン修飾担持パラジウム/ 白金触媒

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.3(2022年7月号)において、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 齋藤 由樹様、GSC社会連携講座 石谷 暖郎様、小林 修様に執筆いただいたものです。

連続フロー法による有機合成が、従来のバッチ法と比較し、環境調和性・効率・安全性に優れた次世代の合成手法として注目を集めている。例えば、米国食品医薬品局(FDA)では「連続合成は次世代の医薬品製造法となる」と宣言している。フロー法による有機合成はその反応形式により大きく4種に分類されるが、筆者らの研究グループでは、特に不均一系触媒を用いる反応形式に注目し研究開発を行ってきた。この反応形式は、不均一系...

合成・材料 連載

【連載】有機分子触媒の軌跡 ―基礎から応用まで―「第1 回 有機触媒の発見」

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.3(2022年7月号)において、サイエンスライター 佐藤 健太郎様に執筆いただいたものです。

「有機分子触媒の軌跡 -基礎から応用まで-」シリーズ開始にあたって 2000年に登場した有機触媒は、21世紀の有機化学界における大きなトレンドとなり、広く影響を与えた。この結果、2021年には有機触媒の創始者の二人がノーベル化学賞を授与されている。本稿では4回に分けて、20年以上にわたる有機触媒研究の成果と、今後の可能性について紹介してゆきたい。

合成・材料 総説

【総説】バッチならびにフロー式Fischer-Speierエステル化に適用可能な高分子酸触媒PAFR Ⅱ

本記事は、和光純薬時報 Vol.90 No.2(2022年4月号)において、理化学研究所 環境資源科学研究センター 山田 陽一様、分子科学研究所 間瀬 俊明様、魚住 泰広様に執筆いただいたものです。

有機合成反応の原子効率(生成物/原料)の向上とE-factor(廃棄物/原料)の低減は、有機化学やグリーンケミストリーだけでなく、産業応用においても重要なファクターである。脱水反応は最も基本的な反応の一つであり、理想的な触媒を用いた脱水反応では水が唯一の副生成物となるため、生合成・化学合成のいずれにおいても頻繁に利用されている。具体的には、カルボン酸とアルコールを反応させてエステルを得るFisch...

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