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ライフサイエンス

ライフサイエンス 連載

【連載】ミクログリア研究の最前線−基礎から臨床へ− 「第1回 神経障害性疼痛」

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.3(2020年7月号)において、九州大学大学院薬学研究院 ライフイノベーション分野 津田 誠様に執筆いただいたものです。

生体に有害な刺激が加わった場合、私たちは痛覚システムを利用し、痛みを発生させ、それに対し適切な防御的行動をとる。しかし、末期癌や糖尿病、脳梗塞、脊髄損傷、帯状疱疹治癒後などで神経系に損傷や圧迫、機能不全が起こると、神経障害性疼痛と呼ばれる慢性的な痛みとなってしまう。症状として、自発痛や疼痛過敏、そして触刺激など通常は痛みが起こらないような刺激で痛みが起こるアロディニア(異痛症)が知られている。

ライフサイエンス

尿中L-FABPは内科系心臓集中治療室入室患者の長期的な有害転帰の独立予測因子

本記事は、シミックホールディングス株式会社が編集する「非臨床 News Letter L-FABP No.14」をもとに掲載しています。

急性腎障害(AKI)は心臓集中治療室(CICU)において高い頻度で起こりうる合併症の一つである。AKIの診断は血清クレアチニン濃度上昇および尿量減少に基づくものが一般的であるが、一方で血清クレアチニンが筋肉量の影響を受けることやAKI初期の上昇がみられないケースなど感度や特異度に関する問題が指摘されており、従来の診断に加えてより鋭敏かつ高い予後予測能を有するバイオマーカーの採用が求められている。近...

ライフサイエンス 連載

【連載】エクソソームと生命現象「第9回 エクソソームの生体内挙動」

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.2(2020年4月号)において、京都大学大学院 薬学研究科 病態情報薬学 高橋 有己様に執筆いただいたものです。

細胞から放出される細胞外小胞は、産生する細胞に由来する RNA やタンパク質、脂質といった分子を内包するとともに、その細胞外小胞を取り込んだ細胞へとその内包物質を送り届ける、いわば細胞間の運び屋として生体内で機能している。細胞外小胞はその放出様式や、物性等から様々に分類されるが、中でも最も注目されるのが粒子径 100nm 前後の、エクソソームとも呼ばれる小さな細胞外小胞である。生体内での情報伝達機...

ライフサイエンス 連載

【連載】基礎から応用までよくわかる組織透明化技術 「第5回 透明化技術と対物レンズ」

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.2(2020年4月号)において、オリンパス株式会社 R&D 機能 光学システム開発 科学先進技術開発 理化学研究所 脳神経科学研究センター 理研 CBS-オリンパス連携センター 西脇 大介様、樋口 香織様に執筆いただいたものです。

近年、固定組織の透明化技術の進展が目覚ましい。ここ10年の間に、様々な手法が開発され生命科学の発展に大きな影響を与えた。組織透明化は、これまで観察することが難しかった組織の 3 次元構造を、組織を破壊することなく、大規模・高精細に再構築することを可能とした(図 1)。こうした透明化の技術の発展に合わせて、透明化手法に対応した光学系、特に対物レンズも各メーカーから開発・発売されている。

培養 ライフサイエンス 総説

【総説】細胞内に発現する miRNA を検知し、目的の細胞を選別する RNA スイッチ™ 技術

本記事は、和光純薬時報 Vol.88 No.1(2020年1月号)において、株式会社 aceRNA Technologies 進 照夫様に執筆いただいたものです。

京都大学 iPS 細胞研究所の齊藤博英教授らが発明した「RNA スイッチ™」技術は、細胞内に存在し、生命現象の様々な作用機序を制御すると言われている miRNA(マイクロ RNA)を検知して、細胞の遺伝子発現を制御することを可能とします。細胞内の miRNA の活性状態を細胞が生きたまま識別できることが大きな特徴の 1 つであり、この技術により判明した細胞種特異的な活性 miRNA に対応する R...

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