【連載】基礎から応用までよくわかる組織透明化技術 「第2回 高解像・高輝度蛍光イメージングのための透明化法、SeeDB2」
本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.3(2019年7月号)において、九州大学大学院医学研究院 今井 猛様に執筆いただいたものです。
近年、様々なレーザー顕微鏡が開発されているが、生体組織を3次元的に捉えることは容易ではない。生体組織は光の散乱や吸収が生じ、深部に行けば行くほど観察が難しくなるためである。近年、こうした問題を克服する手段として、固定した生体組織を透明にする手法が注目されている1, 2)。いずれも、光の吸収および散乱を減らすことで深部の観察を実現している。今や、組織や臓器の全体像を3次元的にとらえることも容易になっ...