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分析 テクニカルレポート

【テクニカルレポート】大気中のアルデヒド、ケトンの HPLC 分析(その 3)

本記事は、和光純薬時報 Vol.69 No.4(2001年10月号)において、和光純薬工業 クロマトグループ 商品開発担当 吉田 貴三子が執筆したものです。

アルデヒドは有害大気汚染物質として、国内では大気汚染防止法によりホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの 2 成分が優先取組物質に指定され、また悪臭防止用によりアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒドの 6 成分が規制の対象になっています。

また米国では、EPA 当により 15 成分の測定法が示され、2,4-ジニトロフェニルヒドラゾン(DNPH)誘導体として GC または HPLC により分析されています。HPLC 分析法は、GC 法で必要となるさまざまな前処理操作が不要等の理由から広範に利用されています。

筆者らのグループでは①Wakopak WS-II5C18RS を使用したイソクラティック分析法、②Wakopak WS-DNPH カラムと専用溶離液を用いるグラジエント分析システム、を本誌(和光純薬時報)Vol.66 No.3No.4 に紹介してきました。

グラジエント分析システムは分離が難しい DNPH-n-ブチルアルデヒドと DNPH-イソブチルアルデヒドを含む 16 成分が分離可能という特長を持っていますが、アセトン、アクロレイン、プロピオンアルデヒドのベースライン分離が難しい、分析に時間を要する、の問題を抱えていました。

そこで今回、分析時間の短縮と分離の改善を目的に新分析システムの開発を行いました。以下分析例として、16 種アルデヒド-DNPH 混合標準液(和光純薬製)及び室内空気を DNPH 含浸シリカカートリッジカラムで誘導体化後アセトニトリルで溶出したサンプルのクロマトグラムを示しましたが、EPA で規制されている 15 成分を 20 分以内に分離することが可能となり、標準物質、実試料とも良好に分離し、試料由来の妨害物の影響も受けませんでした。

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今回開発した新分析システムは、DNPH-n-ブチルアルデヒドと DNPH-イソブチルアルデヒドの分離は達成されないものの、各成分ともベースライン分離が達成されしかも短時間分析が可能となっています。

前回までに紹介した方法と測定目的に応じて使い分けていただければ幸いです。

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