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【テクニカルレポート】大気中のアルデヒド、ケトンの HPLC 分析

本記事は、和光純薬時報 Vol.66 No.3(1998年7月号)において、和光純薬工業 大阪研究所 上森 仁志が執筆したものです。

アルデヒドは有害大気汚染物質として、国内では大気汚染防止法(2 成分)、悪臭防止法(6 成分)により、また米国では、EPA 等により 15 成分の測定法が示され、2,4-ジニトロフェニルヒドラゾン(DNPH)誘導体として GC または HPLC により分析されている。ODS(C18)シリカを用いる HPLC 分析法は、GC 法で必要となる未反応の 2,4-ジニトロフェニルヒドラジンの除去やアセトニトリルから酢酸エチル溶液への転溶操作が不要等の理由から広範に利用されている。

大気汚染防止法によれば、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドの 2 成分が優先取組物質に指定され、また悪臭防止法においてもアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒドの 6 成分が規制の対象になっている。

今回、当社の ODS シリカを用いた場合の分離の最適化検討(定量性、検出限界、妨害物の影響、分析時間等)を実施した結果、Wakosil-II 5C18RS 充填剤を用いた時に最適分離結果が得られた。DNPH 誘導体化標準液の分析は、市販のDNPH 誘導体標準品をアセトニトリルに溶解し標準液とし、屋外大気サンプルの分析は、屋外大気を DNPH 含浸シリカカートリッジカラムで誘導体化後アセトニトリルで溶出し、HPLC にて分析した。この時の分離の状況を図 1 に示した。

図1 DNPH-アルデヒド類の分析例

実検体の分析においても妨害物の影響を受けず、検量線は、0 ~ 50 ng の範囲で原点を通る良好な直線関係を示し、その時の相関係数 r = 0.9999 が得られた。

また各成分の検出限界を表 1 にまとめて示した。

Table1. Limit of detection (as aldehyde and ketone)
Formaldehyde 12.3 pg
Acetaldehyde 18.5 pg
Acetone 32.6 pg
Propionaldehyde 35.8 pg
Isobutyraldehyde 82.0 pg
Butyraldehyde 82.0 pg
Isovaleraldehyde 89.0 pg
Valeraldehyde 108.2 pg

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