抗体標識/改変試薬
抗体は目的の分子に特異的に結合するタンパク質であり、生命科学分野の研究において広く活用されています。抗体は目的の用途に応じて標識や改変、修飾が可能です。当社は抗体の標識キットをはじめ、改変に利用できる各種試薬を取り扱っています。
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IgG分解酵素
- ヒンジ領域(下部)を特異的に切断
- ヒンジ領域(上部)を特異的に切断
- リシンのC末端を特異的に切断
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ADC研究用試薬
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糖鎖修飾/分析用試薬
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抗体標識用試薬
製品ラインアップ
学術コンテンツ
抗体の断片化
抗体は目的の分子の検出や精製、あるいは機能阻害における有用なツールです。このような性能は研究開発分野のみならず診断や治療といった医療の分野においても広く用いられています。抗体は複数の領域により構成されていますが、目的に応じた改変を行うことによりその性能は著しく向上します。
このような改変の代表的な操作として知られている方法が、抗体の断片化です。現在では適切な酵素を使用することにより抗体を選択的に切断することが可能です。例えば、抗体には抗原結合能を有するFabや抗原へは結合せずにクラス定義に寄与するFcといった領域の断片化は広く利用されています。
抗体断片の利点は、目的の効果を有する領域のみ選択的に取得することが可能であるため抗体が有する性能を最大限に引き出せるところです。また抗体を小型化することは抗体の浸透性の向上や立体傷害の抑制へと繋がります。
抗体の断片化は使用する酵素の種類により最終的に得られる断片の構造は異なります。代表的な構造としては、F (ab’)2、Fab’、Fab、Fcなどが知られています。目的の実験に合わせて選択的な切断を行います。
図で示したように、抗体は大きくFabとFcの二つの領域により構成されているといえます。このうちFc はマクロファージや樹状細胞といった血球細胞表面上の Fc レセプターと結合するため、これらの細胞が存在する環境に抗体をそのまま投与した場合にはFc 領域が非特異的に結合することがあります。抗体のFabを選択的に取り出すことによりこのような影響を受けることなく抗体の性能を発揮させることが可能です。