Genovis社 IgGプロテアーゼ「Xork」
Genovis社は、モノクローナル抗体、ADCs(antibody drug conjugates)、Fc融合タンパク質、バイオシミラー等のバイオ医薬品の研究開発に使用できるユニークな酵素(プロテアーゼ、グリコシラーゼ、シアリダーゼなど)を用いた製品をラインアップしています。
XorkはヒトIgGのヒンジ領域下部を特異的に切断するIgGプロテアーゼです。IdeSやIdeZとは相同性が低い非ヒト病原性微生物由来の組換え酵素であり、ウイルスベクターを用いた遺伝子治療の研究に有用です。
アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた遺伝子治療では中和抗AAV抗体により力価に影響を受けますが、Xorkを用いてIgGを特異的に分解・除去することで、トランスダクションの成功率を向上させることができます。また、Xork自体は非ヒト病原体由来であるため内在性の抗体によるクリアランスの影響を受けにくく、IdeSやIdeZよりも効果を維持させることができます。
ウイルスベクターが健常な遺伝子を患者へ運びます | 中和抗体によりウイルスが認識され、遺伝子物質の運搬が妨害されます | Genovis社のIgGプロテアーゼにより効率的に中和抗体を除去します | 健康な遺伝子のトランスダクションの成功率が上昇します |
Xorkの特長
- 非ヒト病原性体由来の組換え酵素であり、内在性の抗体によるクリアランスを受けにくい
- IgGヒンジ領域下部を特異的に切断し、F(ab’)2とFcフラグメントを生成
- 低エンドトキシン濃度を保証しており、in vivoでの使用が可能
ヒト静脈内免疫グロブリンプール中の抗IgGプロテアーゼ抗体の検出
ヒト静脈内免疫グロブリンプール中のFabRICATOR ® (IdeS)、FabRICATOR® Z (IdeZ)、Xorkを標的とする抗体の有無をウエスタンブロッティングにて確認しました。 IdeS、IdeZではシグナルが検出され、抗体の存在が確認されましたが、Xorkではシグナルが検出されず、ヒト静脈内免疫グロブリンプール中にはXorkに反応する抗体が存在しないことが示されました。
XorkのIgG特異性及び切断部位
IgG1 (2 mg/mL)とIgG2 (7 mg/mL)をそれぞれXorkまたはFabRICATOR (IdeS)と混合し、Xorkは37 ℃ 1hr、IdeSは37 ℃ 30 min.の条件で反応させ、逆相クロマトグラフィー及びLC-MSを用いて分析しました。
逆相クロマトグラフィーでの分析結果(図2)より、XorkとFabRICATORは短い反応時間でヒトIgGをF(ab’)2とFcフラグメントに分解し、特異性が高いことが分かりました。また、LC-MSでの分析(図3)ではLCとFd’が検出されたことから、Xorkの切断部位はIdeSと同じくヒンジ領域下部ということが示されました。
製品一覧
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