Genovis社 Fc領域修飾ツール「GlyCLICK™」
Genovis社は、抗体医薬研究用のバイオ医薬プロセス酵素SmartEnzymes™を開発・製造しているスウェーデン(ルンド)のメーカーで、モノクローナル抗体、ADCs(antibody drug conjugates)、Fc融合タンパク質、バイオシミラー等のバイオ医薬品の研究開発に使用できるユニークな酵素(プロテアーゼ、グリコシラーゼ)、試薬キットをラインアップしています。
GlyCLICK™はFc領域に付加した糖鎖を特異的に加水分解するGlycINATOR®による酵素反応とクリックケミストリーを組み合わせることで、Fc領域の特定部位に目的分子を修飾することができるキットです。
特長
- Fcグリカンリモデリング反応とクリックケミストリーによりFc領域CH2ドメインのN結合型糖鎖部位に特異的修飾が可能
- Alexa Fluor® 488、ビオチン、Deferoxamine (DFO)、Azide活性化用のキットをラインアップ
- ADC(Antibody Drug Conjugates:抗体薬物複合体)の研究開発に最適
標識反応の概要
GlyCLICK™は、Fcグリカンリモデリング反応とクリックケミストリーにより目的分子(Alexa Fluor® 488, ビオチン, Deferoxamine (DFO), Azide活性化)の部位特異的修飾が可能です。
GlyclNATOR® (EndoS2)による脱糖鎖反応後、Galactosyl transferase, GalT(Y289L)により、 GlcNAcをGalNAz残基に変換し、このAzide基をリガンドとしてDibenzocyclooctyne (DIBO)によるクリック反応でFc領域特異的に目的分子で修飾します。
キットラインアップ
蛍光やビオチン標識など様々な修飾にお使いいただけるキットをラインアップしています。いずれのキットも250 μgまでのIgG分子を処理できるよう、必要な試薬がセットになっています。
アプリケーション
部位特異的な標識
GlyCLICK™ は、GlyclNATOR® (EndoS2)でFc領域の糖鎖をトリミングし、SiteClick™法でFc特異的に標識分子および活性基を導入するキットです。
GlyclNATOR® (EndoS2)がFc領域のN結合型糖鎖を除去し、GlcNAcをインタクトな状態で残します。このGlcNAcにDibenzocyclooctyne (DIBO) を結合させ、クリックケミストリーにより任意の標識分子を結合させることができます(図1)。
標識抗体のLC/MS解析
モデルケースとしてGlyCLICK™ で、TrastuzumabのFc領域にMMAE(Monomethyl auristatin E)を標識し、各標識工程におけるフラクションをLC/MSにより解析しました(図2)。
脱糖鎖Fc/2(図2B)とGlyCLICK™ によってMMAE修飾されたFc/2との分子量差2026Da(GalNAz残基245 DaとMMAE分子1781Da)が検出できました。
製品一覧
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