バイオ医薬

バイオ医薬品とは、大腸菌や動物細胞、酵母などの生物と遺伝子組み換え技術や細胞培養技術を用いて製造、抽出、半合成などされた医薬品です。代表的なものとしては抗体医薬品やワクチンなどがあります。
当社では、バイオ医薬品の製造用の培地や品質管理用の酵素や検査キットを取り扱っています。また、試薬事業で培った原料調達力と化成品事業で培った医薬品原料の製造技術を活かしたGMPクラスの製造設備を有しており、日本のバイオ医薬品の研究開発、製造にご使用いただける培地製造が可能です。さまざまな用途の培地製造に柔軟に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。

モダリティ別カタログ

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各モダリティに関する基礎知識(薬効メカニズム、疾患領域等)についてもわかりやすく解説しています。
バイオ医薬品の研究開発に携わっている方、これから研究を始められる方におすすめの内容です。

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学術コンテンツ

バイオ医薬品とは? - わかりやすく解説 -

バイオ医薬品とは–わかりやすく解説-

バイオ医薬品とは、遺伝子組み換えや細胞培養等のバイオテクノロジーを応用して製造された医薬品です。バイオテクノロジーの応用により、抗体や酵素などのタンパク質を人工的に生産することが可能となり、現在ではがんや糖尿病などの様々な疾患に対する治療薬として広く利用されるようになりました。

低分子医薬品との違い

従来の低分子医薬品は、化学合成により製造される医薬品で、比較的単純な構造をした低分子の化合物です。一方バイオ医薬品は、微生物や細胞といった生物由来の物質を用いて製造される医薬品で、構造が複雑で分子が大きく、不均一性があります。

バイオ医薬品と低分子医薬品の違い
低分子医薬品 バイオ医薬品
大きさ(分子量) 小さい(500以下が多い) 非常に大きい(数千から約150,000)
構造 単純 複雑
均一性 均一 不均一
製造方法 化学合成 微生物や細胞を用いて合成
錠形 多種類(錠剤等) 主に注射剤

厚生労働省資料(2018)、一般社団法人くすりの適正使用協議会HPから引用1), 2)

バイオ医薬品の特徴 - メリット・デメリット -

バイオ医薬品の特徴としては、生体内の高分子化合物(抗体、酵素、ホルモンなど)を利用して製造されている点にあります。
薬効が高く、副作用が少ないことに加え、適用できる疾患領域が広いことがメリットとして挙げられます。一方、低分子医薬品のように化学合成による大量生産ができないため、製造が困難かつ高コストであることがデメリットとなっています。

バイオ医薬品のメリット バイオ医薬品のデメリット
  • 薬効が高い
  • 副作用が少ない
  • 適用できる疾患領域が広い
  • 大量製造が難しい
  • コストが高い

バイオ医薬品の例

抗体医薬

抗体医薬品とは

抗体医薬品とは、「抗体と抗原の特異的な結合により起こる反応(抗原抗体反応)の仕組みを利用した医薬品」です。抗体は、免疫系においてウイルスや細菌などの異物を攻撃・排除する役割を果たす糖タンパク質であり、古くから医療に用いられています。

1975年にKöhlerとMilsteinが開発したハイブリドーマ技術により、抗体医薬の開発が大きく進歩しました。

1つのB細胞は、1つの抗体を産生するため、単一クローン抗体を得ることができますが、1つのB細胞を長期間培養することはできません。そこで、不死化したがん細胞(ミエローマ)とB細胞を融合させた融合細胞株(ハイブリドーマ)が作製され、半永久的に単一の抗体を産生できるハイブリドーマ作製技術が確立されました 。

この技術の確立により、単一の特異性を持つモノクローナル抗体を大量に得ることが可能となり、ミサイル療法として注目を浴びました。

しかし、当初は大きな失敗に終わりました。その理由は…

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    • 抗体の構造
    • 抗体医薬品の薬効メカニズム
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ワクチン

ワクチンとは

ワクチンとは、弱毒化もしくは無毒化した病原体やその一部を接種することで、その病原体に対する免疫力をつけ、感染や重症化を予防する医薬品です。

ワクチンには「生ワクチン」「不活化ワクチン」「トキソイド」などがあります。そして、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の流行以降、急速に開発が進んだ「mRNAワクチン」が新しく加わりました。

mRNA(メッセンジャーRNA)をベースとしたワクチンは、生ワクチンやサブユニットワクチンの代替として期待されている新たなワクチンです。

mRNAワクチンは、抗原をコードするmRNAを体内に投与します。抗原は細胞内で発現されるため、mRNAワクチンはサブユニットワクチンとは異なるMHCクラス応答を誘導します。

従来のワクチンと比べ、mRNAワクチンは、比較的安価かつ短期間で大量生産が可能です。そのため、パンデミックやバイオテロなど、広範囲で緊急性の高い感染症が発生した場合に非常に有効です。

mRNAワクチンの有用性は感染症に限ったものではなく、がん治療のためのmRNAワクチンの研究も進められています。がんを対象としたmRNAワクチンには大きく2種類あります。

1つ目は、特定のがんに共通する抗原を発現させるもので、不特定多数のがん患者への利用が期待されます。2つ目は、…

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    • mRNAワクチンの研究開発
    • mRNAの特徴
    • mRNAの利点と治療
    • mRNAの製造法

バイオ医薬品に関する情報

参考文献

1)厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000655557.pdf
(2023年12月26日閲覧)

2)一般社団法人くすりの適正使用協議会
https://www.rad-ar.or.jp/knowledge/post?slug=what-is-biopharmaceuticals
(2023年12月26日閲覧)

製品ラインアップ

培養関連試薬
器材
品質管理