ロシュ・ダイアグノスティックス MycoTOOLシリーズ
MycoTOOLシリーズはマイコプラズマ検出用のキットです。
バイオ医薬品、再生医療の品質管理でのマイコプラズマ否定試験に広く使用されています。
本シリーズはDNA抽出用の「QC Sample Preparation Kit」と検出用キットの「MycoTOOL Mycoplasma Detection Amplification kit」、「MycoTOOL Mycoplasma Real-Time PCR Kit」の3製品をラインアップしております。最新版(英語)がある場合もございます。お問い合わせください。
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シリーズラインアップ
DNA抽出キット
サンプルからDNAテンプレートを抽出するためのキット。
検出キット
MycoTOOL Mycoplasma Detection Amplification kit
DNAテンプレートをエンドポイントPCRにより増幅し、検出するためのキット
MycoTOOL Mycoplasma Real-Time PCR Kit
DNAテンプレートをリアルタイムPCRにより増幅し、検出するためのキット
※測定時にはDNA抽出キットとご希望の測定法に応じた検出キットの2種類のキットのご購入が必要です。
注意:リアルタイムPCRで検出を行う際はロシュ・ダイアグノスティックス社のリアルタイムPCR機器(LightCycler®480)が必要となります。
測定の流れ
QC Sample Preparation Kit
本品はCHO細胞や大腸菌、マイコプラズマのの残留DNAを抽出するためのキットです。 本キットで抽出したDNAをサンプルに応じた検出キット(Residual DNA CHO Kit、Residual E. coli Kit、MycoTOOLシリーズ)を用いてPCR法により増幅、検出してください。
特長
- マイコプラズマDNA検出用DNAテンプレートの抽出が可能
- Residual DNA CHO Kit、Residual E. coli KitのDNAテンプレートの抽出調製にも使用可能
- Triton X-100不含
キット構成※
Cap Color | Label | 容量 | 数量 | 用途/詳細 |
---|---|---|---|---|
Orange | Proteinase K | 850 mL/vial | 4本 | - |
Brown | Lysis Buffer | 6 mL/vial | 5本 | チオシアン酸グアニジン、トリス緩衝液、界面活性剤含有 |
Grey | Precipitation Reagent | 7 mL | 5本 | 核酸沈殿用 |
White | Washing Buffer | 9 mL | 6本 | 洗浄用 |
Blue | Dissolution Buffer | 5 mL | 5本 | 抽出した核酸の溶解用 |
White | Water, DNA Free | 1 mL | 10本 | |
White | Poly〔A〕 | 2 mg | 7本 | |
- | Reaction Vials | 2 mL ポリプロピレンチューブ x 35本/袋 | 3袋 | 凍結乾燥品 |
※:MycoTOOL用にサンプルを調製する場合1キットで26検体分のサンプル調製が可能です
MycoTOOL Mycoplasma Detection Amplification kit
本品はQC Sample Preparation Kitで抽出したマイコプラズマのテンプレートDNAをエンドポイントPCRにより増幅し、検出するためのキットです。
特長
- バリデーション終了菌種は<1 CFU/mLで検出可能
- DNA抽出から解析完了まで約10時間
- 欧州医薬品庁(EMA)において認可済
- 140のマイコプラズマ菌種を検出
キット構成※
Cap Color | Label | 容量 | 数量 |
---|---|---|---|
Red | RM1a | 45 μL | 5本 |
Brown | RM1b | 570 μL | 5本 |
Grey | MgCl2-Solution | 600 μL | 5本 |
Blue | Primer Mix, Mycoplasma | 40 μL | 5本 |
Violet | Primer Mix, GAPDH | 30 μL | 5本 |
Yellow | Detection Dye | 120 μL | 5本 |
Turquoise | PCR grade Water | 1 mL | 5本 |
White | Dilution Buffer | 1 mL | 5本 |
White | Negative Control | 1 mL | 5本 |
Green | Positive Control | 55 μL | 5本 |
Orange | DNA Molecular Weight Marker | 200 μL | 1本 |
使用方法
MycoTOOL Mycoplasma Real-Time PCR Kit
本品はQC Sample Preparation Kitで抽出したマイコプラズマのテンプレートDNAをリアルタイムPCRにより増幅し、検出するためのキットです。
特長
- バリデーション終了菌種は<1 CFU/mLで検出可能
- DNA抽出から解析完了まで約5時間
- 高い再現性
dUTPとUNGでキャリーオーバー防止。
偽陽性結果が出ない - 140のマイコプラズマ菌種を検出可能
キット構成※
Cap Color | Label | 容量 | 数量 |
---|---|---|---|
blue | Recovery Control | 400 μL | 1本 |
red | PCR Master, 2× conc. | 1 mL | 5本 |
orange | UNG | 180 μL | 1本 |
turquoise | PCR Enhancer | 180 μL | 1本 |
green | Detection Mix, 25× conc. | 220 μL | 1本 |
yellow | Detection Mix Recovery Control, 25× conc. | 140 μL | 1本 |
purple | Positive Control | 800 μL | 1本 |
white | Water, PCR grade | 1 mL | 2本 |
※:1キットで10検体分のサンプル調製が可能です
使用例
MycoTOOLシリーズQ&A
全般
各キットは何回用なのか?
QC sample preparation kitはMycoplasmaの検出に使用する場合は26回用です。
MycoTOOL Mycoplasma Detection Amplification kit、 MycoTOOL Mycoplasma Real-Time PCR Kitはともに10回用です。
UNGシステムとは何か?
UNG(ウラシル-DNA グリコシラーゼ)がDNA上のウラシル(U)を除去することを利用したシステムです。塩基を失ったDNAは増幅反応の最初の加熱によってリン酸結合が切断され、新たな増幅の鋳型とはなりません。また、UNGは6塩基以上のDNA上のウラシルにのみ反応し、モノマーのdUTPのウラシルには作用しません。
よって、夾雜PCR産物のコンタミネーションがあっても、UNGにより分解されます。UNGは増幅反応の初めに95℃の加熱で失活されます。
キャリアDNAはどのような場合に必要なのか?
ヒト細胞やMDCK細胞などのサンプルがげっ歯類以外の細胞の場合(エンドポイントPCRのみ)や、DNAが少ない又はDNAが含まれないサンプルの場合(エンドポイントPCR/リアルタイムPCR 共通)に必要です。サンプルのインターナルコントロールとして、CHO細胞のGAPDH遺伝子用のプライマーペアがキットに使用されているためです(キャリアDNAはCHO細胞のゲノムDNA)。
キャリアDNA(5×320uL)は何回用なのか?
1回の使用量は最大80uLです(使用量は細胞によって最適化してください)。
よって少なくとも20回以上の使用が可能です。
QC Sample Preparation Kitに含まれるPoly[A]の用途は?
Poly[A]はマイコプラズマのDNA抽出では使用しません。QC Sample Preparation KitはMycoTOOLではなく、DNACHO残存キットやE.coli残存キットといった他の検出キットを使用する。
バリデーションデータは開示可能か?
バリデーションデータの開示に関してはロシュ・ダイアグノスティックス社との秘密保持契約が必要です。詳しくはお問い合わせください。
エンドポイントPCR
電気泳動後の染色操作が不要である理由は?
PCR反応液中に染色剤が含まれるためです。電気泳動終了後、すぐに観察することができます。
GAPDHの100倍希釈サンプルのほうが泳動距離が短くなる理由は?
DNA量が少ないと全体のチャージが少なくなり、移動度が小さくなるためです。
リアルタイムPCR
使用できるリアルタイムPCRの機器は?(リアルタイムPCR)
機器はRoche社Light Cycler®480でバリデーション済み。他の機種に関しましては、Cp値に関してお客様にて設定いただく必要があります。詳しくはお問い合わせください。
MycoTOOL リアルタイムPCRキットのRecovery Controlはどのような目的で入っている?
抽出操作に失敗した際に、「陰性」と判定してしまわないためです。共沈剤の役割も兼ねているため、リアルタイムPCRキットで検出する場合、サンプルのDNAの抽出操作において、共沈剤が不要な細胞数であればキャリアDNAは不要です。
製品一覧
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- 掲載されている製品について
- 【試薬】
- 試験・研究の目的のみに使用されるものであり、「医薬品」、「食品」、「家庭用品」などとしては使用できません。
- 試験研究用以外にご使用された場合、いかなる保証も致しかねます。試験研究用以外の用途や原料にご使用希望の場合、弊社営業部門にお問合せください。
- 【医薬品原料】
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