【クロマトQ&A】:非イオン界面活性剤のHPLC分析カラムについて
本記事は、Analytical Circle No.67(2012年12月号)に掲載されたものです。
水道水質基準項目の非イオン界面活性剤の測定方法に、固相抽出-高速液体クロマトグラフ法が追加されました。(平成24年厚生労働省告示第66号) 分析に使用する溶離液のpHが9.2の塩基性条件ですが、適するHPLCカラムWakopak®はどれですか?
当社、HPLCカラム "Wakopak®" 製品で塩基性条件で使用可能なODSカラムは、Wakopak®Ultra C18シリーズです。pH1.5~10の範囲で使用可能で、高い耐久性を示します。粒子径が2 µm、3 µm、5 µmの製品を取り揃えています。
Wakopak®Ultra C18-5およびUHPLC用Wakopak®Ultra C18-2を用いた、非イオン界面活性剤(ヘプタオキシエチレンドデシルエーテル)測定の実施例をご紹介いたします。
非イオン界面活性剤は水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省第101号)に定める水道水水質基準項目として水質基準0.02 mg/Lが定められています。試験方法は、固相抽出-吸光光度法が用いられてきましたが、平成24年4月より、省令の一部が改正※され、固相抽出-高速液体クロマトグラフ法が試験法に追加されました。(※平成24年厚生労働省告示第66号)
検水中の非イオン界面活性剤と、Co(Ⅱ)の錯体を形成させ、4-(2-ピリジアルアゾ)-レゾルシール(PAR)により発色させた試料をHPLCカラムで分離し、吸光度検出器で測定する方法です。溶離液にpH9.2の四ほう酸ナトリウム溶液を使用するため、一般的なシリカゲル系ODS(C18)カラムでは、カラムの劣化が激しく、使用できません。
"Wakopak®Ultra C18" は、シリカゲル充てん剤の表面処理技術を改良することにより、広い範囲のpH条件で使用可能としました。本分析条件(pH9.2の溶離液を使用)下で1500時間以上連続使用後も、初期保持性能の85 %以上を保持しており、安定に使用できることを確認しました。