【クロマトQ&A】:陰イオン界面活性剤分析用 Wakopak® Wakosil AS-AquaとODSカラムの違いは何ですか
本記事は、Analytical Circle No.61(2011年6月号)に掲載されたものです。
陰イオン界面活性剤分析用 Wakopak® Wakosil AS-AquaとODSカラムの違いは何ですか。
Wakopak®Wakosil AS-Aquaは、水質中の陰イオン界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、以下ABS)の分析用に適するHPLCカラムとして開発されたカラムです。
陰イオン界面活性剤は、水質基準項目(50項目)のひとつで、工場排水、家庭下水などの混入に由来し、水中に存在すると泡立ちの原因となり、汚濁の重要な指標とされています。平成16年4月1日 改正水道法の施行から、陰イオン界面活性剤の測定法として、合成洗剤の有効成分のABSを固相抽出-HPLC法で測定する分析法が採用されました。
合成洗剤由来の、炭素数が10から14で分岐鎖状のABSが分析の対象となり、基準値はトータル値として0.2 mg/Lです。これらのABSをODSカラムで分析すると、分岐鎖が分割傾向を示します(図1)。
Wakopak® Wakosil AS-AquaはABSを炭素数毎に1本のピークとして分離することで、検出感度の向上と定量計算の簡便化、さらに分析時間の短縮、を目的に開発されました。HPLC-蛍光検出法によるABS標準液と洗剤の分析例を図2に示します。また、合成洗剤の有効成分としては含まれない直鎖型のABSは分岐鎖型とは分離しますので判別が可能です。ODSカラムとの測定値の差違に有意差は無く※1 低濃度領域でもより正確な測定が可能です。
固相抽出カラムPresep®C C18(ODS)は水質の影響を受けにくく、ABSの回収率が良好です。併せてご使用下さい。
※1: 東京都健康安全研究センター研究年報 第58号(2007)
HPLC Conditions
Eluent:CH3CN/H2O = 65/35(v/v), NaClO4 12.3 g/1000 mL添加、Detection:Ex. 221nm、Em. 284nm
Injection:10 mg/L(CH3OH), 10 μL、 Sample:陰イオン界面活性剤試験用標準液 (ABS:C10,C11,C12,C13,C14)