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【テクニカルレポート】5% 含水シリカゲルの商品化と性能評価結果

本記事は、和光純薬時報 Vol.68 No.3(2000年7月号)において、和光純薬工業 大阪研究所 上森 仁志が執筆したものです。

私達の身の回りには人為的に作り出された様々な有害化学物質が存在し、長期的な暴露により人間の健康および生態系への影響が懸念されている。環境庁は 1985 年 5 月に「外因性内分泌撹乱化学物質問題への環境庁対応方針につて」(環境ホルモン戦略 SPEED ' 98)を発表し、汚染の実態調査、試験研究の推進を図るなどの取組みについて示すとともに、1998 年 8-9 月に建設省と共同で第 1 次全国実態調査を実施し、同年 10 月に暫定的な分析法として「外因性内分泌撹乱化学物質調査暫定マニュアル」(水質、底質及び生物)を発表した。

この暫定マニュアルには試料の前処理を目的として、溶媒抽出法、固相抽出法、カラム処理法など様々な前処理法が紹介されているが、カラム処理法には、主に 5 %含水シリカゲル、5 %含水フロリジルが用いられている。特に 5 %含水シリカゲルは、HCB、PAHs 等の非極性物質から農薬等の極性物質までを多成分分析するのに適しているが1)-3)、これらの担体の調製には、市販カラムクロマトグラフ用担体を購入後、乾燥と水分の調製操作が必要となっている。

今回商品化した 5 %含水シリカゲルは、これらの手間を省き分析時にすぐ使用できるよう含水率を 5 %に調製した Wakogel-C200 である。

5 %含水シリカゲルの調製方法

当社カラムクロマトグラフ用シリカゲル Wakogel C-200 を 130℃で 15 時間乾燥後、密閉式ステンレス製混合機に入れて室温まで冷却する。撹拌しながらシリカゲル重量に対し 5 %重量の精製水を滴下し、密封して発熱が終了するまで静かに混合する。さらに 30 分間混合後 15 時間異常静置し調製した。

性能評価結果

本製品の性能評価結果を表にまとめて示したが、従来の自家製シリカゲルと同等の分離特性を示し、本製品が環境ホルモン分析の迅速化に貢献できると考えられる。

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参考文献

  1. 劔持堅志他:ゴルフ場農薬の分析法:環境化学, 3, 41-58(1993).
  2. 劔持堅志他:水質, 底質モニタリング調査の分析方法, 環境化学, 3, 279-293(1993).
  3. 環境庁環境安全課:平成 10 年度化学物質分析法開発調査報告書(その2):多環芳香族炭化水素類(PAHs)及び有機リン酸トリエステル類(OPEs)の分析法(2000)

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