【連載】ScreenFect™通信 「Vol.2 Sf9 細胞への遺伝子導入データ」
ScreenFect™A 、ScreenFect™A plus を用いた Sf9 細胞への遺伝子導入実績及びプロトコールをご紹介します。PSFM-J1 培地を用いた場合の最適化された試薬比率を記載しますので、ご覧下さい。
Sf9 細胞へのトランスフェクションプロトコール例
ここでは、PSFM-J1 培地ワコー,液体を使用した 24 ウェルスケールでの遺伝子導入プロトコール例の一部を紹介します。本プロトコールの完全版は、当社データベースをご参照下さい。
使用試薬 & 器具
- Sf9 細胞:2 × 105 cells/mL
- PSFM-J1 培地ワコー,液体(コード No. 160-25851) 1mL
- 発現ベクター:1μg (例:pIEx/Bac-1 GFP ベクター)
- ScreenFect™A plus (コード No. 293-77101)or ScreenFect™A (コード No. 293-73201)
- 24 ウェルプレート
- 滅菌済みチップなど
細胞懸濁液の調製
2 × 105 cells/mL となるように調製された細胞懸濁液 1mL を用意し、チューブへ分注する。
- PSFM-J1 培地を使用量分小分けし、27 ℃± 1 ℃に温める。30 ℃を超えてしまうと、昆虫細胞にダメージを与えてしまう。
- 振とう培養を行っている場合、培養中の昆虫細胞懸濁液の細胞数をカウントする。静置培養を行っている場合、マイクロピペット(1000μL)などで細胞をフラスコ / プレートから剥がし、適当量の温めた PSFM-J1 培地で懸濁する。懸濁後、300×gで 2 分間(室温)遠心し、上清を除去後、適当量の温めた PSFM-J1 培地で懸濁する。懸濁後、細胞数をカウントする。
- 振とう培養を行っている細胞は、対数増殖期の細胞を使用することが望ましい。一方、静置培養を行っている細胞は、70 〜 80% 程度のコンフルエントとなった対数増殖期の状態で使用することが望ましい。
トランスフェクション試薬の調製
1.0μL の ScreenFect™A reagent または ScreenFect™A plus reagent と、1.0μg のプラスミド DNA が 50μL の ScreenFect™ Dilution Buffer(もしくは、PSFM-J1 培地)に含まれるようにDNA-lipid complex を作製する。作製後、27 ℃± 1 ℃にて 20 分間インキュベーションを行う。
トランスフェクション
用意しておいた細胞懸濁液 1mL に、DNA-lipid complex を全量添加し、ピペッティングでよく混合して、全量を 24 ウェルプレートに播種する。
- 激しいピペッティングは細胞にダメージを与える原因になるため、マイクロピペット(1000μL)などで 2 ~ 5 回程度のマイルドな混合を行う。
- トランスフェクション後の培地交換は不要。
- トランスフェクション後 day2 〜 day6 程度までサンプリングを行い、ウエスタンブロットなどで発現を確認し、発現量が最大になるポイントをご検討下さい。
実験データ
Sf 9細胞へリバーストランスフェクション(1-STEP)でGFP発現ベクターの導入を行い、蛍光顕微鏡及びFACS解析にて導入遺伝子の導入効率を比較しました。
掲載をご希望される細胞がございましたら、こちらのメールアドレスまでご連絡下さい。→ ffwk-jiho@fujifilm.com