【構造式検索TIPS】知って得する徹底使いこなし術③
- 知って得する徹底使いこなし術① ~ChemDrawからのコピペ、官能基略語の活用~
- 知って得する徹底使いこなし術② ~官能基の種類によるand /not検索~
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知って得する徹底使いこなし術③ ~候補化合物のリスト化、検索履歴の呼び出し~ ⇐ いまココ!
- 知って得する徹底使いこなし術④ ~類似構造検索、スーパーストラクチャー検索~
構造式検索がリニューアルしてさらに使いやすくなりました。使い方については右上の「検索の使い方」から確認いただけます。また、アイコンについては、描画画面下の「描画アイコンの説明」をぜひ参考にしてみてください。
概要
「構造式検索TIPS ①」では
ChemDrawからのコピー&ペーストと官能基略語の活用をご紹介しました。特定の構造が完全に決まっている完全一致検索の場合に有効です。
「構造式検索TIPS ②」では
誘導体を条件付きで一括検索したい場合や、特注合成ページをご紹介しました。化合物の検索と実験、どちらも効率的に進めたい方はこちらをご活用いただけます。
そして、今回の「構造式検索TIPS ③」では
必要な化合物を漏れなく検索する、「部分構造検索」の方法をご紹介します。まず候補化合物を大きな化合物群として抽出し、その構造式一覧から自由に絞り込む方法です。また過去の検索で描画した構造式を呼び出して、再活用する方法についてご紹介します。
必要な化合物だけを抜け漏れなく絞り込む
"部分構造検索"では、件数無制限で該当する化合物を表示します。画面をスクロールしながら1つずつクリックして詳細を確認し、一覧画面にまた戻る作業の繰り返しは面倒ですし、表示された順番が離れていると紙にメモしたり、前の画面に戻って見直す時などは何かと時間と手間がかかってしまいます。同時に抜け漏れが発生するリスクも想定できます。自分で選んだ候補化合物だけをリスト化して並べて比較したい。そのように思ったことはありませんか?ここで試していただきたいのが、2段階で絞り込む機能です。
では、1,4-ジブロモベンゼンの誘導体の中から、必要な候補化合物をチョイスして並べてリスト化する場合を例にしてみていきましょう。
STEP 1
構造式描画画面で描画後、部分構造検索を選択して検索ボタンを押します。
STEP 2
検索結果として390件 (※2021年11月現在) の構造式一覧画面が表示されました。例えばこの化合物群から「芳香環にNH2基が結合した化合物」のみを候補とします。該当する化合物をクリックすると、選択した化合物が赤枠になりますので、画面下にある製品検索ボタンを押します。
STEP 3
選択した化合物のみを対象とした詳細な検索結果が表示されます。構造式の下にある「化合物情報を表示」にマウスオーバーすると、名前、SMILES、分子式、分子量の情報が表示されます。同一化合物で複数の取り扱いメーカーがある場合は、メーカーごとに表示されます。画面は縦長になってしまいますが、下にスクロールしても構造式の表示は追随して常に表示されていますので、化合物名と構造式を同時に確認できます。
まずは検索でHITする候補化合物を全て確認したい場合や、基本骨格だけ決まっていて、どのような置換基を持つ試薬があるかを確認したい場合など、段階的に精度を高めて検索する方法がお好みの方には使いやすいです。ご自身で選択した化合物に絞り込むので、抜け漏れなく網羅的な検索ができます。
また、検索ボタンを押すたびに別タブで新しい画面が表示されますので、複数タブを開いたまま、次々に検索して比較することもできます。
過去の検索結果も活用しよう
検索履歴はブラウザの機能で保存されています。同じ端末、同じブラウザであれば過去に描画した構造式を呼び出すことができます。例えば、新規検索時に置換基の位置だけを変更したい場合や、二置換に変更したいという場合はこちらの機能が便利です。この機能を使えば、空白の画面にゼロから描画しなくても検索できます。
この機能のもう一つの利点は、検索回数が多くなるほど保存される構造も増えるので、使えば使うほど類似化合物の描画時間が短縮されるというものです。よく使う試薬が決まっている場合も有効です。
STEP 1
構造式描画画面で、「検索履歴から検索」を押します。
STEP 2
過去に検索した化合物の履歴が表示されます。この中から呼び出したい化合物をクリックします。マウスオーバーで赤色になります。
STEP 3
構造式描画画面に移動すると同時に、選択された描画情報が追記・変更可能な形式で転記されます。
いかがだったでしょうか?検索から個別の試薬の情報にたどり着く方法はいくつかありますが、構造式を用いれば名前や名称が分からなくでも、類似化合物まで一括で検索できます。論文を執筆する際に数種の誘導体を検討する場合や、創薬研究におけるスクリーニングなど、複数の試薬を購入するケースでは、今回のような一括検索が便利です。ここで紹介したテクニックもぜひ参考にしていただければ検索の効率upが期待できます!
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