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【クロマトQ&A】:HPLC用カラムの洗浄方法および保存方法について教えて下さい

本記事は、Analytical Circle No.49(2008年6月号)に掲載されたものです。

HPLC用カラムの使用後の洗浄方法および保存方法について教えてください。

現在ご使用のHPLCカラムは、担体を充てんした市販のパックドカラムがほとんどだと思います。この場合、使用前・使用中・使用後でカラム中の溶媒が変化するのが一般的で、その都度溶媒を置換する必要があります。今回はシリカゲルカラムを使用後の洗浄方法を中心に、溶媒置換時の注意点、保存溶媒などについてお答えいたします。

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カラム使用後の注意点

  1. カラム使用後は、汚れを良く溶出し、かつカラムに悪影響のない溶媒で洗浄し保管してください。保存溶媒はカラム購入時に封入されていた溶媒が適当です。また緩衝液を使用した場合は、まず蒸留水を流し塩類をカラム内から取り除いてください。
  2. イオン対クロマトグラフィーを行った場合は、水洗後、メタノール/水 = 50/50 (V/V)で洗浄することにより、カラム内のイオン対試薬を効率よく洗浄することができます。
  3. 保存溶媒は、塩素系を使用しないでください。
  4. 必ず密栓をして、カラム内を絶対乾燥させないでください。
  5. 万一乾燥させてしまった時は、保存封入していた溶媒をHPLCで0.1~0.2 mL/min. の低流量で送液し、カラムの出口より液が出るのを確認した後、送液を一時中止してください。約5~10分放置後、通常どおり送液してください。当初の性能より低下していますが、再度ご使用になれる場合があります。
  6. 長期間保存する場合でも、1~2ヶ月に一度カラム内を通液してください。

カラムの洗浄方法と保存溶媒

カラムの種類や移動相、試料により、カラムの洗浄方法は異なります。一般的な方法は次の操作により行います。

図1.逆相系シリカゲル
図1

逆相系シリカゲル(図1)

  1. 充てん剤の汚れは、THF、クロロホルム、ジクロロメタンなどの中極性溶媒を流すことにより除去できますが、これら塩素系溶媒を含む状態でカラムを保存しないでください。
  2. カラムを長期保存する場合はメタノールまたはアセトニトリルで置換してください。
  3. 移動相として無機塩バッファーを使用した後は、まず水でカラム内を洗浄しさらに0.1 %りん酸水溶液(カラム体積の10倍程度)で順次カラム内を置換してからアセトニトリル、メタノールなどで置換・保存してください。
図2.順相系シリカゲル
図2

順相系シリカゲル(図2)

  1. シリカゲルの劣化は主として極性物質の吸着により起こります。また、水分等により吸着能が低下した場合、再生は次のような手順で行うことができます。化学結合型カラムは順相系での使用か逆相系での使用かにより洗浄方法は異なりますが、右記の方法が一般的です。ただし、使用移動相から洗浄液への置換時は、相互の混和性に注意してください。
  2. カラムを長期保存する場合は、下記の溶媒で保存してください。
    • シリカゲルカラム:n-ヘキサン
    • 化学結合型カラム:メタノール
図3.イオン交換系シリカゲル
図3

イオン交換系シリカゲル(図3)

  1. カラムの劣化は主としてイオン性物質(金属イオン、ハロゲン化物イオンなど)の吸着により起こります。再生は右記の手順で行うことができます。
  2. カラムを長期保存する場合は無機塩などを水でよく洗浄した後、メタノールあるいはアセトニトリル100 %で置換してください。
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