【クロマトQ&A】低波長用イオンペア試薬はどの様な効果、違いが有るのでしょうか。
本記事は、Analytical Circle No.3(1996年11月号)に掲載されたものです。
低波長用イオンペア試薬が市販されていますが、実際のサンプルではどのような効果、違いが見られるのでしょうか
一例としてHPLCで食品中の臭素分析を行う場合に、検出UV205 nmでイオンペア試薬として4級アンモニウム塩を用いる分析法があります。
日頃、254 nmで何ら問題なく使用していたイオンペア試薬であっても、目的成分が低濃度で、なおかつ検出をUV低波長で測定した場合、一般のイオンペア試薬を用いていてはバックグラウンドが高くなり(1)ベースラインの乱れ(2)夾雑ピークの発生(3)目的サンプルのピーク未検出などの現象が発生することがあります。下記に示しましたクロマトグラムの比較により、低波長(Low UV)用イオンペア試薬の必要性がおわかりいただけると思います。
分析条件
Column | :Wakosil-Ⅱ 3C18HF (4.6φ x 50mm) |
Eluent | :(Fig.1) KH2PO4 (819 mg) + NaH2PO4 (714 mg) + 0.5M Tetra-n-butylammonium Phosphate Soln. (10 mL) in 1000 mL H2O (Fig.2) KH2PO4 (819 mg) + NaH2PO4 (714 mg) + 0.5M Tetra-n-butylammonium Phosphate Soln. (Low UV Type 10 mL) in 1000 mL H2O |
Flow rate | :1.0 mL/min. at 40 ℃ |
Detector | :UV 205, 210 nm |
Sample | :Potassium Bromide in H2O |
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