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溶液と溶解度について

溶液と溶解度についてご説明いたします。

  • 溶液について
    製品名に「塩酸(2+1)」と表記がありますが、(2+1)とはどういう意味ですか?といったお問合せをいただくことがあります。JISでは、希釈溶液は「試薬(a+b)」の表し方を用いております。
    この場合、調製方法は「塩酸(JIS K8180)(35.0~37.0%)200mL + 水100mL」であることを表しています。

その他の表記に関しては下記をご参照ください。(JIS K 8001より)

名称 調製方法 備考
塩酸(2+1) 塩酸(JIS K 8180) (35.0~37.0%)200mL + 水 100mL
アンモニア水(2+3) アンモニア水(JIS K 8085) (28.0~30.0%)200mL + 300mL ポリエチレン瓶に保存
過塩素酸(1+1) 過塩素酸(JIS K 8223) (60.0~62.0%)100mL + 100mL
過酸化水素水(1+9) 過酸化水素(JIS K 8230) (30.0~35.5%)10mL + 90mL
酢酸(1+1) 酢酸(JIS K 8355) (99.5%以上)100mL + 100mL
臭化水素酸(1+1) 臭化水素酸(JIS K 8509) (47.0~49.0%)100mL + 100mL
硝酸(1+2) 硝酸(JIS K 8541) (60~61%)100mL + 200mL
フッ化水素酸(1+1) フッ化水素酸(JIS K 8819) (46.0~48.0%)100mL + 100mL ポリエチレン瓶に保存
ヨウ化水素酸(1+1) ヨウ化水素酸(JIS K 8917) (55.0~58.0%)100mL + 100mL 使用時に調製
硫酸(1+5) 水 100mL + 硫酸(JIS K 8951) (95.0%以上)20mL(冷却しかき混ぜながら)
りん酸(1+1) りん酸(JIS K 9005) (85.0%以上)100mL + 100mL


なお、表中の濃度以外のものを調製する場合には、この調製方法に準じます。

  • 溶液の調製方法について
    試薬4.40g + 水(→1000mL)と記載がありますが、どのようにすればいいですかとお問合せをいただきますが、その場合は試薬4.40gを水に溶かして全量フラスコ1000mLに入れ、水を標線まで加えてください。

  • 溶解度について
    溶解の程度を表す用語として「溶けやすい」「溶けにくい」などがありますが、例えば必要な溶媒はどのくらいですか?とお問合せをいただきますので、下記を参考にしてください。
用語 一定量の溶質を溶かすのに必要な溶媒の量 mL
極めて溶けやすい 1未満
溶けやすい 1以上 10未満
やや溶けやすい 10以上 30未満
やや溶けにくい 30以上 100未満
溶けにくい 100以上 1000未満
極めて溶けにくい 1000以上 10000未満
ほとんど溶けない 10000以上

常温において、固体のものは1g、液体のものは1mLとします。
・この他にも「易溶」「可溶」「溶」「難溶」「微溶」「不溶」という表現も多用されます。
・溶液の製品で溶液の種類が書いていないものは、水溶液の製品であることを示します。

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