導入事例:凍結融解用デバイス「S-Cryolock」
当社で取り扱っている凍結融解用デバイス「S-Cryolock」の導入を検討している、古賀文敏ウイメンズクリニックの高山先生にインタビューして参りました。
Q:S-Cryolockに興味を持った経緯を教えてください。
- A
- : クリニックの歴史が長くなると、必然的に胚の凍結保存数が比例して増えていきます。また、昨今、不妊治療の助成金拡大や保険適用が話題になっていますが、その波を日々感じています。保険適用前でも、この波を感じているため、適用後には更に患者の裾野も広がってくると予想しています。そういった患者増に我々は備える必要があります。
そこで課題として挙がったのが、凍結デバイスの収納スペースでした。新たな凍結タンクを用意するのはコストもかかりますし、ラボスぺ―スが狭くなってしまうので現実的ではありません。解決策を模索している中でS-Cryolockを知りました。サンプルをいただき、試してみると、従来はケーンに4本のデバイスを入れることが限界でしたが、7本収納することができ、タンクの数はそのままで、理論上、収容量が175%に増えたことになります。
Q:製品検討時はどのような懸念点がありましたか?
- A
- : S-Cryolockを使用する前に一番気がかりだったのは、細すぎて折れてしまわないかということでした。しかし実際に使ってみると、手技の妨げになることは全くなく、またプロトコルを変える必要もなかったので、安心して使用することができました。シート部分が少し固めになっていますので、最初の融解液投入時は、多少慣れが必要かも知れませんが、操作感に違いはなく、すぐに慣れることが出来ました。
また細いが故に、キャップの締めづらさが懸念されましたが、問題なくはめることが出来ました。
Q:S-Cryolockでお気づきの点がございましたら、率直な感想を教えてもらえますか?
- A
- : アメリカのFDA承認済で、安心して使用できるのも、嬉しいポイントです。
サンプルで試用した際、胚を乗せるシート部分も着色されているため、液体窒素中でキャップをはめる際に、どちらが先端か分かりにくいかな、と感じましたが、実際の臨床で使用する場面では、手で持つ部分は患者様名等の記入や、バーコードを貼り付けるため、液体窒素中でも特に問題なく認識することが出来ました。
また、患者様の情報を記入するスペースが広いため、細くても余裕を持って記入することが可能でした。
Q:胚凍結融解において気を付けていることや、アドバイスなどあれば教えてください。
- A
- : 冷却速度を早めるために、シート上に載せるボリュームを最小化する工夫がなされてきましたが、必要以上に液量を減らすと、融解時に胚がシートに貼り付き、トラブルの原因になることがあります。デバイス自体も、シートが狭くなっており、必然的に液量が少なくなるようになっていますので、よほどのことが無い限りは、載せすぎた液量を吸い上げることは、あえてしないようにしています。
凍結融解用デバイス
S-Cryolock
- ゴブレットに最大7本収納可能なため、省スペース
- 様々な凍結培地と互換性あり
- Close法にも対応
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