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【テクニカルレポート】Fast LC における検出器のレスポンスの影響

本記事は、和光純薬時報 Vol.69 No.1(2001年1月号)において、和光純薬工業 大阪研究所 福本 昌巳が執筆したものです。

近年、環境問題への関心の高まりから HPLC 分析に使用される有機溶媒量の削減やその努力が行われ、また、ドラッグディスカバリー分野に代表される分析検体数の増加に伴う分析時間の短縮が強く求められている。

有機溶媒量の削減にはカラム内径を細くする方法とカラムの長さを短くする方法とがあり、分析時間を短縮するためには流速を上げる方法とカラムの長さを短くする方法とがある。特に、これら方法の中でカラムサイズのショート化は環境、コスト及び処理時間の面から大きなメリットがあるものと考えられる。

カラムサイズのショート化が可能になった背景には、HPLC 装置の高性能化(配管系での拡散が少なく、検出器のレスポンスをより細かく調節できるようになった)と充てん剤の製造技術及び充てん技術の進歩によるところが大きい。

しかし、ショートカラムの性能を十分に引き出すためには取り扱い上いくつかの注意が必要である。ポンプの流量精度、インジェクターの注入機能、分析セルの適正、カラムと配管の接続などに注意を払うことは一般の分析と同じであるが、Fast LC では検出器のレスポンス設定も重要になる。

下図に検出器のレスポンスを変化させたときのクロマトグラムの変化を示した。Fast LC ではピーク幅、ピーク間隔が狭いのでレスポンスの設定がクロマトグラムに大きく影響することがわかる。

jiho_69-1_tech_01.png

以上、Fast LC でカラムが本来持つ高い分離性能を得るためにはポンプの流量精度、インジェクターの注入機能、分析セルの適正、カラムと配管の接続などのほかに検出器のレスポンスの速さも重要であることがわかる。

参考資料

Wakopak Combi ODS fast の分離性能 和光時報 p.14, Vol.68, No.4 (2000).

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