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胚凍結融解時の胚のストレスが気になる方へ

胚凍結方法の種類

①緩慢凍結法

細胞外に氷晶を形成させ、浸透圧差により細胞内を脱水し、耐凍剤を濃縮する方法です。機械を用いて毎分約0.3~0.5℃ずつ-30℃までゆっくりと時間をかけて凍結します。胚培養士の技量の差が出にくい手法です。

緩慢凍結法

②Vitrification法

細胞透過性の耐凍剤を含んだ細胞を、細胞非透過性の耐凍剤で浸透圧を高めたガラス化液で脱水濃縮する方法です。約1分で瞬時に凍結します。この手法は極少量のガラス化液ごと液体窒素に投入する点がポイントです。液量調整が必要なため、胚培養士の技量の差が比較的出やすい手法です。特に最小容積冷却法をMVC (Minimum Volume Cooling) 法と言います。

Vitrification法

胚へのストレスとなる要因

ストレスの要因は様々ありますが、それらを特定するのは困難です。証明する手段がないのです。そのため、全ての要因において注意することが重要と言えます。

①低温、②寒冷衝撃 (急激な環境変化)、③細胞外氷晶、④耐凍剤 (毒性)、⑤細胞内氷晶、⑥フラクチャー、⑦浸透圧的膨張

凍結融解時の細胞傷害
凍結融解時の細胞傷害
写真提供:山下湘南夢クリニック

胚へのストレスを軽減する方法

下記3つのポイントを満たすことで、ストレス軽減が見込めます。
①適切なガラス化液量
②適切な処理時間
③ストレス軽減できる培地を使用すること

ストレスを軽減できる凍結/融解培地とは?

当社は下記が重要ポイントと考えます。

  1. ベース培地
    ヒト胚用のベース培地を使用することで、代謝機能復活時のストレスを軽減できます。
  2. 二重緩衝剤
    胚凍結融解操作は室温下で行われるため、pHの変動を抑えることが重要です。
  3. 血清
    血清にはコレステロールが含まれています。コレステロールは耐凍と細胞膜安定の効果があり、胚へのストレス軽減に繋がります。
  4. 培養液との相性
    培養や胚操作で使用している培地と近い組成であれば、胚に与える環境変化も少なくなります。

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