siyaku blog

- 研究の最前線、テクニカルレポート、実験のコツなどを幅広く紹介します。 -

HPLCカラムにWとDという2種類があるが、何が違うのでしょうか?

旧タイプのHPLC装置では、各社HPLC装置により接続部分の規格が異なり、配管および接続用部品がステンレス製の製品を使用している場合には最初に使用したカラムに合わせて配管と接続部品が固定されてしまい、カラムを交換する際にはそれまで使用していたカラムと同じ接続タイプのカラムを選択する必要がありました。

しかし、接続タイプの統一化が進み、現在ではほとんどのメーカーがインチネジを採用、フェラルサイズも統一され、樹脂製のHandy Conectorをカラムの接続に使用しています。樹脂製のHandy Conectorが採用されているHPLC装置ではカラムタイプD、Wを区別することなく使用できます。

しかし、接続部分の耐圧力の点で樹脂製の接続部品ではなくステンレス製フェラルが採用されているHPLC装置では接続部分のカラム内部に挿入される配管の長さ(h)が固定されており、その長さにあった接続タイプのカラムを選択していただく必要があります。

使用中のカラムの接続タイプが判らない場合には、hの長さを測定してカラムタイプを選択します。(Dタイプ:h = 2.3-2.9 mm、Wタイプ:h = 3.5 mm)

使用するカラムの性能を十分に発揮した分析結果を得るために、接続タイプを合わせることが重要です。

  • 接続部分のサイズ
    形状 P, h (mm) 規格 接続タイプ h (mm)
    インチネジ
    10-32UNF
    P : 4.8 mm
    フェラルタイプ
    W 3.5
    D 2.3~2.9

    ※長さは実測値であり、参考値です。

  • 接続部品とカラム接続部品
カラムの接続例
  • 良い例

    (1) h = aの場合

  • 悪い例

    (2) h > aの場合

  • 悪い例

    (3) h < aの場合

キーワード検索

月別アーカイブ

当サイトの文章・画像等の無断転載・複製等を禁止します。