病理関連試薬

病理研究では主に組織や細胞を顕微鏡標本として観察し、どのように病気が発生、経過していくかを明らかにします。観察においては目的の組織や細胞、分子 (タンパク質・核酸など) を可視化するために色素を用いた染色や、免疫組織染色、in situ ハイブリダイゼーション法など様々な手法が確立されています。当社では病理研究の各工程に必要な試薬を幅広くラインアップしております。

学術コンテンツ

標本となる組織や細胞あるいは染色手法によって試料の処理は様々ですが、一般的に標本作成から顕微鏡観察までは下記のような工程となります。

  • 解剖
    動物から組織を摘出します。摘出する組織によっては灌流固定を行う必要があります。
  • 固定
    標本をできるだけ生体に近い状態で長期間保持するために、組織中の物質 (主にタンパク質) を不動化します。
    取扱試薬:組織固定液
  • (脱灰・脱脂)
    骨などの硬組織であれば脱灰、脳・皮膚・脂肪などの脂質を多く含む組織であれば脱脂を行います。
    取扱試薬:脱灰剤
  • 脱水
    パラフィン包埋の場合、まず組織中の水分をアルコールで脱水し、さらにアルコールをパラフィンと相溶性のある中間剤に置き換えます。
    取扱試薬:組織脱水溶液 / 中間剤 (置換剤)
  • 包埋
    柔らかい組織はそのままでは薄切することが困難なので適度な硬さにするためにパラフィンなどで包埋します。
    取扱試薬:包埋剤
  • 薄切
    包埋した試料を染色、観察できるように薄くスライスします。
  • 染色
    薄切した試料を色素や抗体、プローブを利用して染色・標識します。前処理として脱パラフィンや抗原の賦活化、ブロッキングを行う場合もあります。また脱色試薬を使用することで一度染色した試料を脱色し、別の染色を行うことも可能です。
    取扱試薬:抗原賦活化試薬 / 組織標本脱色試薬
  • 封入
    スライドグラスにのせた試料の固定・保持や長期保管を目的に封入剤を添加します。非水溶性封入剤の場合には脱水を行う場合もあります。
    取扱試薬:封入剤
  • 観察
    作成した標本を顕微鏡にて観察します。

標本作成から顕微鏡観察までの流れ

(パラフィン切片を光学顕微鏡で観察する場合)

参考文献

  1. 山田和順 著, 組織化学 初学者のための基礎と実際, 南江堂, 1987
  2. 高田邦昭, 斎藤尚亮, 川上速人 編, 第5版 実験医学別冊 染色・バイオイメージング実験ハンドブック, 羊土社, 2012
  3. 高橋英機 監修, 大久保和央 著, 細胞・組織染色の達人, 羊土社, 2018