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抗Iba1,ウサギ(免疫細胞化学用) Anti Iba1, Rabbit (for Immunocytochemistry)

免疫化学用
for Immunochemistry
製造元 :
富士フイルム和光純薬(株)
保存条件 :
冷凍 (ドライアイス輸送)
抗原由来動物 :
Rat
交差性 :
human, mouse, rat
免疫動物 :
Rabbit
適用 :
ICC
  • 構造式
  • ラベル
  • 荷姿
SDS
比較
製品コード
容量
価格
在庫
販売元
019-19741
JAN
4987481428584
50μg
希望納入価格
48,400 円

20以上

ドキュメント

SDS
製品規格書
添付文書
スペクトルデータ
検査成績書
校正証明書

製品概要

ミクログリアの染色像:抗Iba1, ウサギ(免疫細胞化学用)
ミクログリアの染色像
抗Iba1, ウサギ(免疫細胞化学用)

Iba1 (Ionized calcium-binding adapter molecule 1) は、約17 kDaのカルシウム結合タンパク質です。中枢神経系ではミクログリア特異的に発現しているため1)、ミクログリアマーカーとして利用されています。静止型ミクログリアと活性化ミクログリアの両方で発現していますが、活性化ミクログリアでは発現が増加するという報告もあります2)。なお末梢組織ではマクロファージにも発現しており、AIF-1 (Allograft inflammatory factor-1)の名で知られています。Iba1は細胞内においてF-アクチンと結合し、アクチン線維束を形成する役割を担っています。このアクチン線維束の形成は細胞の移動や貪食の際に観察される細胞膜の波打ち構造形成に必要であると考えられています3)

抗Iba1, ウサギ(免疫細胞化学用)は、免疫組織染色においてミクログリアの突起まで染色することができるため、ミクログリアマーカー抗体のスタンダードとして世界中の研究者に使用されています。

特長

  • 免疫組織染色(凍結切片)でミクログリアの突起まで染色
  • 使用濃度は1:500-1:1000と、比較的少量で使用することが可能

※ 染色の程度はサンプルの状況によります。性能を保証するものではございません。

抗体情報

抗体種 ポリクローナル抗体
抗原 Iba1の合成ペプチド (C末端配列相同)
免疫動物 ウサギ
交差性 マウス, ラット
濃度 0.5-0.7 mg/mL
アプリケーション 免疫組織染色(凍結切片): 1:500-1000
免疫細胞染色: 1:500-1000

※ その他、ヒト4)、イヌ5)、ネコ6)、 ブタ7)、マーモセット8)、ゼブラフィッシュ9)などで報告があります。

抗Iba1抗体によるミクログリア染色の標準プロトコル

本製品は優れたミクログリアマーカー抗体であり、ミクログリアの突起まで染色することができます。ここでは、ミクログリアの免疫組織染色(マウス脳凍結切片)を例に、プロトコルや注意すべきポイントをご説明します。

1.切片の作製

1-1. マウスを4% パラホルムアルデヒド-りん酸緩衝液で灌流固定する。

[ポイント] 灌流固定をしない、あるいは固定が不十分なサンプルでは染色性が低下するという報告があります。4% パラホルムアルデヒド–りん酸緩衝液で灌流固定することを推奨します。

1-2. スクロースで置換後、凍結ブロックを作成する。

1-3. ミクロトームで50 μm 厚の切片を作成する。

[ポイント] 組織切片の厚さは20-50 μmが目安です。

2.洗浄–ブロッキング

2-1. 0.3% TritonX-100/PBSで5分×3回洗浄する。

2-2. 1% BSA, 0.3% TritonX-100/PBS で室温、2時間ブロッキングする。

[ポイント] バックグラウンドが高い場合は、ブロッキングのインキュベーション時間を延ばしたり、ブロッキング試薬を変えてみてください。1% BSA, 0.3% Tween-20/PBSや二次抗体ホストの3% 正常血清もブロッキング溶液として使用できます。

3.一次抗体反応

3-1. 抗Iba1, ウサギ(免疫細胞化学用)を1:1,000 濃度になるよう、1% BSA, 0.3% TritonX- 100/PBS に添加する。

[ポイント] 染色が弱い場合は抗体濃度を上げ、バックグラウンドが高い場合は抗体濃度を下げてください。推奨濃度は1:500-1,000 です。

3-2. 4℃で一晩インキュベーションする。

[ポイント] サンプルにもよりますが、ラットの小脳では2時間程度のインキュベーションでも十分に染色された実績があります。

4.洗浄

4-1. 0.3% TritonX-100/PBSで5分×3回洗浄する。

5.二次抗体反応

5-1. 蛍光色素標識抗ウサギIgG 抗体(例: Jackson ImmunoResearch社, メーカーコード: 111-545-144)を1:1,000 濃度になるよう、1% BSA, 0.3% TritonX- 100/PBS に添加する。

[ポイント] 染色が弱い場合は抗体濃度を上げ、バックグラウンドが高い場合は抗体濃度を下げてください。推奨濃度は1:500-1,000 です。

5-2. 室温で2 時間インキュベーションする。

[ポイント] バックグラウンドが高い場合は二次抗体の反応時間を短くしてください。推奨時間は1-2 時間です。

6.洗浄

6-1. 0.3% TritonX-100/PBS で5分×3回洗浄する。

[ポイント] バックグラウンドが高い場合は洗浄回数を増やしてください。

7.マウント

7-1. 封入剤を用いて切片をマウントする。

8.観察

8-1. 蛍光顕微鏡や共焦点顕微鏡などで切片を観察する。

トラブルシューティング

上記手法でミクログリアが上手く染色されない場合、切片作成後にいずれかの抗原賦活化処理を行ってください。
(A)クエン酸バッファー(pH 6.0) ,90℃,9 分
(B)TE バッファー(pH 9.0),90℃,9 分

その他のトラブルシューティングはFAQにも記載しております。

アプリケーションデータ

免疫組織染色 (マウス)

免疫組織染色:マウス 小脳
動物種
マウス
部位
小脳
サンプル
凍結切片
抗体濃度
1:1000
免疫組織染色:マウス 側坐核
動物種
マウス
部位
側坐核
サンプル
薄切切片
抗体濃度
1:500
<データ提供>
東京理科大学 生命生物科学科
萩原先生、山崎様
免疫組織染色:マウス 脊髄
動物種
マウス
部位
脊髄
サンプル
凍結切片
抗体濃度
1:500
<データ提供>
東京理科大学 生命生物科学科
萩原先生、澤田様
免疫組織染色:マウス 網膜
動物種
マウス
部位
網膜
抗体濃度
1:1000
<データ提供>
Prof. Lieve Moons, KU Leuven, Belgium.

免疫組織染色 (ラット)

免疫組織染色:ラット 大脳皮質
動物種
ラット
部位
大脳皮質
サンプル
凍結切片
抗体濃度
1:1000
<データ提供>
国立精神・神経医療研究センター
佐栁先生、真鍋先生、一戸先生、髙坂先生

参考文献

  1. Imai, Y., Ibata, I., Ito, D., Ohsawa, K. & Kohsaka, S.: Biochem. Biophys. Res. Commun., 224(3), 855(1996).
    A Novel Geneiba1 in the Major Histocompatibility Complex Class III Region Encoding an EF Hand Protein Expressed in a Monocytic Lineage
  2. Mori, I., Imai, Y., Kohsaka, S. & Kimura, Y.: Microbiol. Immunol., 44(8), 729(2000).
    Upregulated expression of Iba1 molecules in the central nervous system of mice in response to neurovirulent influenza A virus infection
  3. Sasaki, Y., Ohsawa, K., Kanazawa, H., Kohsaka, S. & Imai, Y. Biochem. Biophys. Res. Commun., 286(2), 292(2001).
    Iba1 is an actin-cross-linking protein in macrophages/microglia.
  4. Zhao, S. et al.: Cell, 180(4), 796(2020).
    Cellular and Molecular Probing of Intact Human Organs
  5. Ahn, J.H. et al.: Lab. Anim. Res., 28(3), 165 (2012).
    Comparison of alpha-synuclein immunoreactivity in the spinal cord between the adult and aged beagle dog
  6. Ide, T. et al.: J. Vet. Med .Sci., 72(1), 99 (2010).
    Histiocytic Sarcoma in the Brain of a Cat
  7. Gaige, S. et al.: Neurotoxicology., 34, 135(2013).
    c-Fos immunoreactivity in the pig brain following deoxynivalenol intoxication: Focus on NUCB2/nesfatin-1 expressing neurons
  8. Rodriguez-Callejas, J.D. et al.: Front. Aging Neurosci., 8, 315(2016).
    Evidence of Tau Hyperphosphorylation and Dystrophic Microglia in the Common Marmoset
  9. Fantin, A. et al.: Blood, 116(5), 829(2010).
    Tissue macrophages act as cellular chaperones for vascular anastomosis downstream of VEGF-mediated endothelial tip cell induction

FAQ

抗体について

抗原はどのようなものですか。
Iba1の合成ペプチド(C末端配列相同)です。具体的な配列は公開しておりません。
50 μgでどれくらい使用可能ですか。
免疫組織染色において希釈率 1:1000の抗体溶液を1スライドあたり200 μL使用した場合、約500回使用することができます。

プロトコルについて

どのような二次抗体を使用すれば良いですか。
当社では以下の二次抗体で使用実績があります。
Alexa Fluor® 488-AffiniPure Goat Anti-Rabbit IgG (H+L) (Jackson ImmunoResearch社, メーカーコード: 111-545-144
Alexa Fluor® 647-conjugated AffiniPure Donkey anti-Rabbit IgG (H+L) (Jackson ImmunoResearch社, メーカーコード: 711-605-152)

トラブルシューティングについて

ウエスタンブロッティングでバンドが検出されません。
本抗体の適応は免疫組織染色(凍結切片)および免疫細胞染色です。
ウエスタンブロッティングには、抗Iba1,ウサギ(ウエスタンブロッティング用) (製品コード 016-20001)をご使用ください。
免疫組織染色・免疫細胞染色でミクログリアが染まりません。
以下の原因が考えられますので、記載の解決策をお試しください。

1. 固定が不十分
灌流固定をしない、あるいは固定が不十分なサンプルでは染色性が低下するという報告があります。免疫組織染色では4% パラホルムアルデヒド(PFA)で灌流固定してから凍結切片を作成してください。

2. 抗原が変性している
以下条件での抗原賦活化操作をお試しください。
(A) クエン酸バッファー (pH 6.0), 90℃, 9分
(B) TEバッファー (pH 9.0), 90℃, 9分

3. サンプルが劣化している
サンプルの再作製が必要です。切片の厚さの目安は20-50μmです。

4. 抗体量が少ない
抗体濃度を上げてご使用ください。推奨濃度は1:500-1000です。
免疫組織染色・免疫細胞染色のバックグラウンドが高くなってしまいます。
以下の原因が考えられますので、記載の解決策をお試しください。

1. ブロッキングが不十分
ブロッキングのインキュベーション時間を伸ばしたり、ブロッキング試薬を変えてみてください。添付文書中の推奨プロトコルに記載されている1% BSA, 0.3% TritonX-100を含むPBSの他に、1% BSA, 0.3% Tween-20を含むPBSもしくは二次抗体ホストの3% 正常血清を推奨します。

2. 一次抗体の量が多い
一次抗体の濃度を下げてご使用ください。抗Iba1抗体の推奨濃度は1:500-1000です。

3. 二次抗体の反応時間が長い
反応時間を短くしてください。推奨反応時間は1-2時間です。もしくは二次抗体反応後の洗浄回数を増やしてください。

4. サンプルが劣化している
サンプルの再作製が必要です。切片の厚さの目安は20-50μmです。

5. 抗原が変性している
以下条件での抗原賦活化操作をお試しください。
(A) クエン酸バッファー (pH 6.0), 90℃, 9分
(B) TEバッファー (pH 9.0), 90℃, 9分

6. 内在性のペルオキシダーゼが反応している (検出酵素にHRPやPODを使用している場合)
内在性ペルオキシダーゼを不活化するため、ブロッキングの前に3% 過酸化水素を含む80% メタノール溶液で-20℃、20分処理してください。
免疫組織染色でミクログリアだけでなく、神経細胞も染色されてしまいます。
以下の原因が考えられますので、記載の解決策をお試しください。

1. 抗体量が多い
一次抗体もしくは二次抗体の濃度を下げてご使用ください。抗Iba1抗体の推奨濃度は1:500-1000です。

2. 二次抗体の反応時間が長い
反応時間を短くしてください。推奨反応時間は1-2時間です。もしくは二次抗体反応後の洗浄回数を増やしてください。

3. 抗原が変性している
以下条件での抗原賦活化操作をお試しください。
(A) クエン酸バッファー (pH 6.0), 90℃, 9分
(B) TEバッファー (pH 9.0), 90℃, 9分

アプリケーションについて

本抗体はフローサイトメトリーで使用できますか?
当社での実績はございませんが、以下の論文で使用されています。
Koh, H. S., et al.: Nat. Commun., 6(1),1(2015).
The HIF-1/glial TIM-3 axis controls inflammation-associated brain damage under hypoxia.

概要・使用例

概要 Iba1は、神経系のミクログリア特異的に発現している約17kDaのたんぱく質で、ミクログリアマーカーとして頻用されています。本品は、Iba1を認識するウサギポリクローナル抗体です。Iba1の細胞染色や凍結切片での免疫組織染色に向いています。

抗原:Iba1のC末端側配列ペプチド
種交差性:マウス、ラット
実験適応:免疫細胞染色 1:500-1,000
免疫組織染色(凍結切片) 1:500-1,000
WAKO BIO WINDOW No.52 p21 (2003. SEP.)。和光試薬時報Vol.71 No.4, p.24(2003)、Vol.72 No.1 p.4 (2004)。
神経研究用マーカー抗体
近年、ミクログリアは、神経栄養・保護作用のほかNO、TNF- α、IL-1 βの産生による神経傷害作用が明らかにされ注目を集めています。
(Wako BioWindow NOV.2014/別冊号 vol.1, p45)

物性情報

「物性情報」は参考情報でございます。規格値を除き、この製品の性能を保証するものではございません。
本製品の品質及び性能については、本品の製品規格書をご確認ください。
なお目的のご研究に対しましては、予備検討を行う事をお勧めします。

抗体情報

抗原名 Iba1
抗原別名 Iba1
Iba 1

製造元情報

別名一覧

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  • 製品規格・包装規格の改訂が行われた場合、画像と実際の製品の仕様が異なる場合があります。
  • 掲載されている製品について
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